· 

認知症の方にやってはいけない5つのこと

 認知症の方にやってはいけない5つのこと

  ~やさしさと尊重を忘れないために~

 高齢の家族が認知症と診断されたとき、最初は誰しも不安になります。

 「これからどう接すればいいんだろう…」「どこまで手伝えばいいんだろう…」

 そんな戸惑いの中で、良かれと思ってしたことが、実は認知症の人にとってつらい行動だった…というケースも少なくありません。

 

 今回は、認知症の人に「やってはいけないこと」を5つ紹介します。

 家族のためにも、自分自身が無理をしすぎないためにも、ぜひ参考にしてみてください。

 

1.家に閉じ込める・行動を制限する

 認知症の人がふらっと外出してしまうと、事故やトラブルの心配がありますよね。

 でも、だからといって家に鍵をかけて閉じ込めたり、部屋から出られないようにするのはNGです。

 人は誰でも、自由を奪われるとストレスを感じます。

 認知症の人は特に混乱しやすく、ストレスが症状をさらに悪化させることもあります。

 対策としては、「外に出たくなる気持ち」に寄り添いながら、安全に行動できる仕組みを考えることが大切です。

 GPS機能のついた靴や、見守り支援サービスを活用するのも選択肢のひとつです。

 

2.失敗を責めたり、怒鳴ったりする

 認知症が進むと、トイレの失敗や食事の取りこぼしなど、小さな「できない」が増えていきます。

 介助する側も、毎日のように片づけをしたり、同じ説明を繰り返したりして、ついイライラしてしまうこともあるかもしれません。

でも、怒鳴ったり責めたりしても、本人は理由を理解できず、ただ“怒られた”という記憶だけが残ることがあります。

 これは、家族との信頼関係にも影響してしまいます。

 「仕方ないこと」と割り切って、気持ちをうまく切り替える工夫が必要です。

 支援者向けの相談窓口を利用するのもおすすめです。

 

3.子ども扱いする

 「もう何もわからなくなっちゃって…」と、赤ちゃん言葉で話しかけたり、子どもに接するような態度をとっていませんか?

 たとえ記憶が薄れてきていても、認知症の人は“自分”という存在をしっかり感じています。  

 自尊心を傷つけられると、感情が乱れたり、不安定になったりする原因にもなります。

 接し方は、あくまで「その人らしく」。

 過去の経験や役割を尊重し、「大人として」敬意をもって接することが大切です。

 

4.動作が遅いことを急かす・指摘する

 認知症になると、思考も動作もゆっくりになります。

 「早くして」「何してるの?」と声をかけたくなる場面もあるかもしれません。

 でも、急かされるとパニックになりやすく、余計に動けなくなってしまうことも。

 転倒やケガの原因にもなるため、ゆったりとした声かけや、見守る姿勢がとても大事です。

 時間に余裕を持って行動し、「大丈夫だよ」と笑顔で待つことで、本人も安心します。

 

5.無理に思い出させようとする

 「さっきも言ったでしょ」「昨日のこと覚えてる?」こんな言葉は、つい言ってしまいがちですよね。

 でも、記憶が薄れていくことは、本人にとっても非常につらい現実です。

 無理に思い出させようとすると、自尊心を傷つけてしまうことがあります。

 思い出を共有したいなら、「一緒に写真を見よう」「この曲、懐かしいね」など、自然な形で刺激を与えるほうが効果的です。

 また、脳トレなどを取り入れる場合は、主治医のアドバイスのもとで行いましょう。

 

「一人で抱え込まないで」

 介護は、長期戦です。

 「家族だから」とすべてを抱え込んでしまうと、介助する人の心身もすり減ってしまいます。

  • デイサービスの利用
  • ホームヘルパーの活用
  • 施設入所の検討

 これらは「手放す」ことではなく、「一緒に支えていくための選択肢」です。

 家族だけで頑張らず、地域や専門機関の力を借りることが、本人にも介護者にも優しい道です。

 

 まとめ

 認知症は、本人も介助者もつらさを抱えやすい病気です。

 だからこそ、「やってはいけないこと」を知ることは、とても大切な第一歩。

 相手を尊重し、自分の負担も減らす工夫をしながら、できるだけ笑顔で過ごせる毎日をつくっていきましょう。