令和6年
:民法親子法制の改正成立
― 令和8年施行予定、共同親権への大転換
日本の家族法において長年議論されてきたテーマのひとつが「離婚後の親権」です。
これまでの民法では、離婚後の親権者は父母のどちらか一方にしか与えられない「単独親権」が原則でした。
しかし、国際的には「共同親権」が主流であり、日本の制度は時代遅れとの批判を受けてきました。
令和6年(2024年)、ついに民法の親子法制が改正され、共同親権 が導入されることが決定しました。
施行は令和8年(2026年)の予定で、日本の親子関係の在り方に大きな転換をもたらすことになります。
改正前の制度:単独親権
現行(改正前)の制度では、離婚後の子の親権者は「父または母のどちらか一方」に決定されます。
- 子どもの生活基盤を安定させる
- 父母の対立による混乱を避ける
といったメリットがある一方で、以下のような問題も指摘されていました。
- 親権を持たない親が「子育てから排除される」感覚を抱き、親子関係が希薄化
- 子どもにとって「両親と関わる権利」が十分に保障されない
- 国際的に「子どもの権利条約」との整合性に欠ける
改正のポイント
令和6年に成立した改正法では、次のようなルールが導入されます。
- 共同親権の導入
離婚後も父母が協力して子どもの監護・教育に関与できる仕組みを整備。
- 選択制の採用
原則として「単独親権」か「共同親権」かを選択できる。
ただし、父母間の対立が激しい場合などは単独親権を維持。
- 子の利益を最優先に
親の権利ではなく「子の最善の利益」を基準に、裁判所が判断する枠組みを強化。
実務への影響
- 離婚調停・審判の内容が変化
これまでは「どちらが親権者になるか」が最大の争点でしたが、今後は「共同で育てられるか」が焦点になります。
- 養育計画の重要性
面会交流や養育費だけでなく、教育・医療・生活に関する具体的な取り決めを父母が事前に作成する必要性が高まります。
- 弁護士・調停委員の役割拡大
父母の合意形成を支援する専門家の役割が、従来以上に重要になります。
社会的意義
この改正の意義は非常に大きいものです。
- 国際基準との整合性
欧米諸国や国連の勧告に沿った法改正であり、日本が「子どもの権利条約」を実効的に守る姿勢を示しました。
- 親子関係の維持
離婚後も父母双方が子育てに関われることで、子どもの健全な成長にプラスとなります。
- 家族観の変化
「離婚=片親だけが育てる」という固定観念を見直し、より柔軟で現代的な家族の形を認める契機になります。
課題と懸念
もちろん、課題も残されています。
- 虐待やDV事案への対応
共同親権が濫用され、子どもや配偶者が危険にさらされる懸念があります。
- 合意形成の難しさ
離婚に至る家庭はそもそも対立が深いため、共同で意思決定できるかが疑問視されます。
- 実務の負担増
家庭裁判所や調停委員にとって、より複雑な調整が必要になり、人的リソースの不足も課題となります。
まとめ
令和6年に成立した民法親子法制の改正は、日本の家族法における歴史的な転換点です。
- 離婚後も父母が共同で親権を持てる仕組みを導入
- 子の最善の利益を基準に、単独親権か共同親権かを選択
- 国際的な基準に近づく一方で、実務や社会に新しい課題も生まれる
施行は令和8年(2026年)の予定。
今後、どのように運用されるかが大きな注目点となります。

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