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不動産業界の隠語「社有物件ふかし法」とは?

不動産業界の隠語「社有物件ふかし法」とは?

 「社有物件ふかし法」とは、不動産会社が自社所有(社有)の物件を売却する際、物件価値や将来性を過剰にアピールして販売価格を高めに設定し、利益幅を最大化する手法を指す業界隠語です。

 ここでいう「ふかし」とは、料理でいう“蒸らす”ではなく、“盛る・膨らませる”の意味。

 表面的には「物件の良さを強調して宣伝」ですが、実態は相場より割高に見せる戦略です。 

 法的には違法ではないものの、倫理面や顧客満足度の観点では注意が必要なグレーゾーンのテクニックといえます。

 

ふかしの典型的なやり方

 

  1. リフォームで見た目を大幅改善 壁紙やフローリングを新品に替え、「新築同様」と打ち出す。
  2. 将来の価値上昇を強調 近隣開発計画や駅前再開発など、“将来性”を大きくアピール。
  3. 比較対象をコントロール 意図的に高めの周辺物件と比較させ、「お得感」を演出。
  4. 希少性の強調 「このエリアでは滅多に出ない条件」と心理的なレア感を植え付ける。

実例:駅近中古マンションのふかし販売

物件概要

山形市中心部・築25年マンション

駅徒歩8分、3LDK

相場:2,200万円前後

 

社有物件として2,580万円で販売

 1か月目:

 見た目の仕上げ

 販売前に水回りを新品交換、クロス全面張替え。

 写真は明るい時間帯にプロ撮影し、広角レンズで開放感を演出。

 

会話例(初回案内)

B(買主):「築25年なのにきれいですね」

S(営業):「ええ、リフォーム済みで新築気分です。しかも駅徒歩8分は希少ですよ」

B:「たしかに近いですね」

S:「将来の駅前再開発も決まっていて、今後さらに価値が上がる可能性があります」(ここで将来性を強調し、価格の高さを正当化)

 

2〜3か月目:比較戦略

 別の案内物件は同じ築年数・駅徒歩10分・2,480万円。

 わざと少し条件の劣る物件と比較し、購入希望者に「社有物件の方が割安」に見せる。

会話例(比較後)

 B:「さっきの物件より、こちらの方が条件いいですね」

 S:「ですよね。しかも社有物件なので仲介手数料が不要です。その分をリフォーム費用に回せますよ」(仲介手数料ゼロを強調し、購入意欲を刺激)

 

4か月目:成約

 最終的に2,530万円で成約。相場より約330万円高く売却し、リフォーム費用を差し引いても利益幅を確保。

 

メリットとデメリット

メリット

  • 高利益を確保できる
  • 社有物件は仲介手数料不要のため、顧客にも一定のメリット
  • 自社管理下のため販売コントロールがしやすい

デメリット

  • 相場感に詳しい顧客には敬遠されやすい
  • 将来の資産価値が期待通りにならない可能性
  • 倫理面での批判リスク

まとめ

 社有物件ふかし法は、見せ方と情報提供の組み合わせで“価格以上の価値”を演出する販売戦略です。

 違法ではないものの、顧客の信頼を損なわないためには、事実に基づいた説明と透明性が不可欠です。

 「高く売る」と「誠実に売る」のバランスを取れるかどうかが、この手法の成否を分けます。

 この内容を図解にして「物件の価値をどう演出するか」という営業研修資料にもできますし、実務では「ふかしすぎて失敗した例」と合わせて使うと説得力が増します。