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相続調停でよくある誤解:遺産の価格を間違えたら無効になる?

 

 相続調停でよくある誤解

 :遺産の価格を間違えたら無効になる?

 

 遺産分割調停に臨む際、「不動産はいくら?」「預貯金はどのくらい?」という評価が大きなカギになります。

 ところが、調停が成立した後に「価格を誤解していた」「実はもっと高く売れた」と気づくケースは少なくありません。

 こうしたとき、「間違えて合意したのだから無効では?」と考える方が多いのですが、実はそう簡単にはいかないのです。

 

 調停は原則やり直せない

 遺産分割調停は「当事者が合意して成立した和解」に近い性質を持ちます。

 そのため、一度成立すると確定判決と同じ効力を持ち、安易には無効とされません。

 多少の価格のズレがあったとしても、それだけでは「無効」とはならず、原則として合意は有効と扱われます。

 

 例外

 :重大な錯誤があれば取り消しの可能性も

 民法95条の「錯誤」が参考になります。

 合意の基礎となる事実を大きく誤解していた

 その誤解がなければ合意しなかったといえる場合

 この場合は、調停を取り消す余地が出てきます。

 具体例

 山形市の自宅不動産を「1,000万円」と見積もって合意したが、後日専門家鑑定で「3,000万円」と判明したケース。

 → このような大幅な誤認なら「錯誤」として無効を争える可能性があります。

 

 新たに見つかった遺産は別扱い

 誤認と似ていますが、実務で多いのは「預貯金や株式の存在そのものを見落としていた」ケースです。

 この場合は「錯誤」ではなく、新たに発見された遺産として、別途分割請求をすることが可能です。

 つまり、調停自体はそのまま有効で、新しい遺産だけ追加協議や調停で処理する流れになります。

 

 実務の対応ポイント

  • 調停前に評価を徹底

 不動産は不動産鑑定士や不動産会社に、預貯金は残高証明を取得して正確な数字を把握。

  • 合意文言を工夫する

 「Aが自宅を取得し、代償金○○円をBに支払う」など具体的に書くと、後の誤認に対応しやすい。

  • 専門家を活用

 調停の現場では数字の理解や法的主張が重要。

 行政書士や弁護士の助言を受けることで、不利な合意を避けやすくなります。

 

まとめ

 遺産の価格を誤認しても、原則として調停は有効

 ただし「重大な錯誤」なら取り消しの余地あり

 新遺産の発見は別途分割で対応可能

 遺産分割調停を「やり直す」のは極めて難しいのが実情です。

 だからこそ、最初の段階で正確な評価を準備することが最大の防御策なのです。