相続調停でよくある誤解
:調停にかかる時間と費用はどれくらい?
「相続調停ってどれくらいお金がかかるの?」
「何回くらい通えばいいの?」
相続トラブルに直面した方から、こうした質問をよく受けます。
調停は裁判所で行う正式な手続きですが、実際のところ 時間と費用はケースによってかなり幅がある のです。
今回は、その目安と実務の感覚を整理してみましょう。
調停にかかる期間
相続調停は1回出席したら終わり、というわけではありません。
通常は月1回のペースで期日が開かれ、当事者が出席して話し合いを重ねます。
- 平均期間:半年〜1年程度
- 早いケース:2〜3回の期日で3か月ほど
- 長引くケース:複雑な財産や感情的対立があると2年以上かかることも
特に不動産の評価や遺留分の争いがあると、調停委員が専門家に意見を求めたり資料を取り寄せたりするため、長期化しやすいのです。
調停にかかる費用
意外に思われるかもしれませんが、調停そのものにかかる裁判所の費用はそれほど高くありません。
裁判所に納める費用
- 申立手数料(収入印紙):1,200円
- 連絡用の郵便切手代:2,000円〜5,000円程度
つまり、申立てだけなら数千円で足ります。
その他にかかる費用
- 不動産の評価費用(鑑定士報酬や査定料):数万円〜数十万円
- 専門家への依頼費用
弁護士:着手金20〜50万円+成果報酬
行政書士や司法書士:書類作成や調査費用で数万円〜
- 交通費・日当:期日に出席するための実費
調停自体は安価ですが、実際には専門家費用や鑑定費用の方が負担になるのが実情です。
実務の具体例
山形市でのあるケース。
相続人は4人、遺産は自宅不動産と預貯金。
- 期日:合計5回(約8か月)
- 費用:印紙・切手で約3,500円、弁護士費用約40万円
- 結果:調停成立、自宅は長男が取得し代償金を他の相続人に支払う内容
このように、調停自体の費用は小さくても、弁護士を頼めば数十万円単位の負担になることが多いのです。
調停を早く安く済ませるコツ
- 事前準備を徹底
財産目録や評価資料をあらかじめ揃えておくと、調停がスムーズに進みます。
- 感情論を避ける
「兄ばかり優遇された」などの感情的な主張は長期化の原因に。事実と数字で話すことが重要です。
- 専門家を適切に活用
全てを弁護士に任せると費用がかさむため、行政書士に書類作成だけ依頼するなど分担する方法もあります。
まとめ
- 調停の期間は平均半年〜1年、長いと2年以上
- 裁判所に納める費用は数千円程度
- 実際の負担は専門家費用や不動産評価費用が大きい
- 事前準備と冷静な姿勢が「時間と費用」を抑えるカギ
「調停は高い」と思われがちですが、実際には時間や労力の方が負担になります。
効率よく準備し、必要に応じて専門家の力を借りることで、納得のいく解決に近づけるでしょう。

コメントをお書きください