· 

不動産業界の隠語「さんため以前」とは?

 不動産業界の隠語「さんため以前」とは?

 

 「さんため(3ため)以前」とは、購入希望者が不動産取引を正式に進める前の、いわゆる“見込み客段階”での接触・営業活動を指す業界用語です。

 ここでいう「3ため」とは、不動産仲介における成約前の三大準備事項を指します。

 会社や地域によって解釈は異なりますが、典型的には以下の3つです。

  1. ためし見学(物件の下見)
  2. ためしローン(事前審査)
  3. ためし商談(条件調整の打診)

 「さんため以前」とは、これらのステップに入る前―つまり、まだ本気度が低く、情報収集や市場調査をしているだけの段階です。

 この時期にどう顧客に接するかが、その後の成約率を大きく左右します。

 

さんため以前の営業の狙い

  • 信頼関係の構築

 押し売りせず、情報提供で信頼を得る。

  • ニーズの深掘り

 条件・資金計画・生活スタイルなどを丁寧にヒアリング。

  • 本気モードへの移行

 タイミングときっかけを作り、3ためステップへ進ませる。

 

実例:冷やかし客から成約客へ

顧客条件

30代夫婦

予算3,000万円

「まだすぐじゃないけど…」という段階で来店

 

会話例(初回対応)

S(営業):「今日はどんな物件を見てみたいですか?」

B(客):「特に決まってないんです。とりあえず雰囲気だけ…」

S:「なるほど。では最近人気のエリアと、その理由をご紹介しますね。

実際に見に行かなくても参考になる情報もあります」(物件よりも、エリア相場や住宅ローンの基本を解説)

 

1週間後、再来店。

B:「この前聞いた話、すごく参考になりました。

ちょっと本格的にローンの事前審査をしてみたいです」→ 「ためしローン」ステップに進む。

 

さんため以前の営業テクニック

  • 情報提供型アプローチ

 物件案内より、まず市場・制度・資金計画の説明で信頼を得る。

  • 無理に迫らない

 購入を急がせると、逆に警戒される。

  • 再接触のきっかけ作り

 メールやLINEで新着情報や金利ニュースを送る。

  • 小さな決断を積み重ねる

 資料請求 → 内覧1件 → 事前審査…と段階的に進める。

 

メリットとデメリット

メリット

  • 将来的な成約客を囲い込める
  • 信頼関係が強くなり、他社流出を防げる
  • 条件把握が早く、提案精度が上がる

デメリット

  • 即決客に比べ、成約まで時間がかかる
  • 営業労力が長期化
  • 他社から割り込み成約されるリスク

まとめ

 「さんため以前」は、見込み客を“本気客”に育てる重要な時期です。

 この段階での印象や対応が、その後の契約の成否を大きく左右します。

 焦らず、信頼を積み重ね、自然に3ためステップへ進ませる―これがプロ営業の真価です。