相続調停でよくある誤解
:調停で代理人を立てるメリットとデメリット
相続調停に臨むとき、「弁護士などの代理人をつけた方がいいのか?」と迷う方は少なくありません。
一人で対応できるようにも思えるし、逆に「代理人がいないと不利なのでは?」と不安になる人もいます。
今回は、調停で代理人を立てるメリットとデメリットを整理してみましょう。
代理人を立てられるのは誰?
調停で代理人になれるのは、原則として弁護士です。
弁護士に依頼すれば、本人の代わりに調停期日に出席し、主張や証拠の提出を行ってもらえます。
行政書士や司法書士は「書類作成のサポート」はできますが、調停の代理人として直接出席することはできません。
メリット①
法的な主張を的確にできる
相続調停では、遺留分の計算や不動産評価、特別受益や寄与分の主張など、法律知識が必要な場面が多くあります。
弁護士がいれば、これらを整理して法的に筋の通った形で主張できるため、裁判所や調停委員に伝わりやすくなります。
メリット②
精神的な負担を軽減できる
相続調停は親族間の争いです。顔を合わせるだけで感情的になり、冷静に話せないこともあります。
代理人がいれば、本人は直接相手とやり取りせずに済むため、心理的負担を大幅に減らせます。
メリット③
不利な合意を避けやすい
法律や判例を踏まえないまま合意すると、後から「損をした」と後悔するケースがあります。
代理人がいれば、不利な合意に進みそうなときに適切なアドバイスを受けられるため、安心です。
デメリット①
費用がかかる
最大のデメリットはやはり費用です。
着手金:20〜50万円程度
報酬金:得られた経済的利益に応じて加算(数十万円〜)
相続財産の規模や争点の複雑さによっては、費用負担が大きくなることがあります。
デメリット②
必ずしも早期解決につながるわけではない
代理人が入ることで主張が強くなり、逆に対立が激化する場合もあります。
「弁護士がいるから譲歩できない」と相手が構えてしまい、調停が長引くこともあるのです。
デメリット③
本人の意思確認は必要
代理人に任せきりにすると、「いつの間にか合意していた」と感じる危険もあります。
最終的な判断は本人が行う必要があり、代理人に頼っても責任は残ります。
実際のケース
山形市でのある案件では、兄妹間の対立が激しく、兄が弁護士を代理人に立てました。
妹は本人だけで出席しましたが、調停委員が丁寧にサポートしてくれたため、最終的には代理人の有無に関わらず合意が成立。
妹は「弁護士費用を払わなくて済んだ」と満足していました。
一方、別の案件では複数の不動産や生前贈与が絡み、法律論争になったため、代理人を付けていた側が有利に調停を進められました。
まとめ
調停で代理人を立てることにはメリットとデメリットがあります。
メリット
:法的主張の強化、精神的負担の軽減、不利な合意の回避
デメリット
:費用負担、対立激化の可能性、本人の意思確認は必要
代理人をつけるかどうかは、財産の規模・争点の複雑さ・相続人同士の関係性を踏まえて判断するのが賢明です。

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