相続調停でよくある誤解
:調停で嘘をついたらどうなる?
相続調停は「家庭裁判所での話し合いの場」です。
裁判ほど堅苦しくはないとはいえ、「調停で嘘をついたらどうなるのか?」という不安や疑問を持つ方は多いです。
例えば――
- 財産を少なく申告する
- 生前贈与を「もらっていない」と言い張る
- 他の相続人を悪く言って事実を歪める
こうした嘘が調停で通用するのかどうか、実際の影響を見ていきましょう。
- 嘘をついても必ずバレる
調停の場では、当事者の発言だけでなく「客観的資料」が重視されます。
- 預貯金 → 金融機関から残高証明を取り寄せ可能
- 不動産 → 登記事項証明書で所有者・評価額を確認可能
- 贈与 → 通帳の出入金や税務署の資料から判明
つまり、嘘をついても調停委員や裁判所の調査で明らかになることが多いのです。
嘘が発覚した場合の不利益
- 信用を失う
一度嘘が発覚すると、以後の主張全体が疑われ、調停委員や裁判官からの信頼を失います。
- 合意に不利に働く
「この人は隠している」と判断されれば、相手の主張が優先されやすくなります。
- 審判に移行した場合に不利
調停が不成立となり審判へ進んだ場合、嘘をついた事実が裁判所の心証に影響し、不利な判断につながる可能性があります。
- 嘘が犯罪に発展する場合も
通常の調停では「偽証罪」は直接適用されません。
しかし、提出した書類に虚偽があったり、詐欺的に財産を隠したりした場合、以下のような法的リスクがあります。
- 文書偽造罪
- 詐欺罪
- 強制執行妨害罪
相続調停は「嘘をついても罪にはならない」と思いがちですが、状況によっては刑事責任に発展する可能性もあるのです。
実際のケース
山形市のある案件で、兄が「父からの生前贈与は受けていない」と主張しました。
しかし調停委員が通帳を確認したところ、数年前に数百万円が振り込まれていたことが判明。
→ 結果、兄の主張は退けられ、逆に「特別受益」として相続分を減らされることになりました。
嘘をついたことで、むしろ不利な結果を招いたのです。
- 調停で大切なのは「正直さ」
調停は、当事者が合意を目指す「話し合いの場」です。
ここで重要なのは「相手を言い負かすこと」ではなく、事実を共有して公平な解決を探ること。
正直に話せば調停委員も事情を理解し、妥協点を一緒に考えてくれます。
逆に嘘をつけば、不信感を招き、調停を長引かせるだけです。
まとめ
- 嘘をついても資料や調査で明らかになる
- 発覚すれば信用を失い、不利な合意や審判につながる
- 場合によっては刑事責任に発展する可能性もある
調停では「正直さ」が最も大切
調停を有利に進める秘訣は、嘘をつくことではなく、正直に事実を出し合い公平な合意を探す姿勢にあります。

コメントをお書きください