不動産の危ない手口「名義飛ばし」─節税や融資対策のつもりが大きなリスクに
不動産投資の世界には、時に“裏ワザ”と称される手法が登場します。
そのひとつが「名義飛ばし」。
一見すると「親族名義を使えば節税できる」「融資枠を広げられる」といったメリットがあるように思えますが、実際には税務・法務のリスクが非常に高い危険な手口です。
この「名義飛ばし」の意味や具体例、リスクについて解説します。
名義飛ばしとは?
名義飛ばしとは、物件を短期間で別の名義に移し替えて売買を繰り返すことを指します。
- 親や兄弟の名義で購入し、短期間で第三者へ売却
- 名義を変えることで「利益の分散」や「融資枠の確保」を狙う
実態としては同じ人物がコントロールしているにもかかわらず、形式的に名義を飛ばす。
こうしたやり方は「名義貸し」に近く、法律・税務の観点から問題視されやすい手法です。
実例:投資用マンションの名義飛ばし
ある投資家は、投資用マンションを親族名義で購入。
その後すぐに第三者へ売却し、利益を「親族が得たもの」として分散させました。
しかし税務署の調査で「実際の意思決定者は投資家本人」と判断され、追徴課税を受ける結果に。
また、融資についても「形式上の名義変更で融資枠を拡大するのは不正」とされ、金融機関との関係悪化にもつながりました。
会話例
- B(投資家):「今回は親の名義で買います」
- S(営業):「短期転売だと税務上問題になる可能性がありますよ」
→ 結果的に、営業側の懸念どおり税務調査で指摘されることに。
名義飛ばしのリスク
1. 税務リスク
実質課税の原則により、形式上は親族名義でも実態が本人なら課税対象は投資家本人になります。
短期転売を繰り返すと「事業的規模」と見なされ、所得区分も変わる可能性あり。
2. 法務リスク
名義貸しや虚偽の登記申請とされる可能性があり、最悪の場合は刑事罰に及ぶことも。
金融機関を欺いて融資を受ければ、契約違反・詐欺にあたる場合もあります。
3. 実務上のデメリット
登記簿や金融機関の内部情報で「名義変更の履歴」は残ります。
信用情報に傷がつけば、今後の融資審査に大きなマイナス。
短期転売は譲渡所得の税率も高く(5年以内は短期譲渡)、節税どころか逆効果になることも。
まとめ:安易な“裏ワザ”は長期的に損
名義飛ばしは、一時的に節税や融資枠拡大の効果があるように見えて、実際には税務署や金融機関に必ず見抜かれる行為です。
「登記に履歴は残る」「金融機関は情報を共有している」ことを忘れてはいけません。
短期的な利益を追うより、正規の方法で投資戦略を立てることが、長期的には安全で確実な成功につながります。
アドバイスとしては、
「もし営業担当や知人から“名義を変えれば大丈夫”と勧められたら、一度立ち止まりましょう。
税理士や専門家に相談することが、後々のトラブル回避につながります」

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