不動産取得税・登録免許税の軽減措置を法人で適用
〜長期優良住宅・低炭素住宅などの認定で“初期コストを圧縮する〜
・「取得時の税金」は節税の出発点
法人が不動産を取得する際、見落とされがちなのが「購入時にかかる税金」です。
たとえ節税対策を後で練っても、取得時の税負担が大きいと最初から損をしていることになります。
このときに意識したいのが、
- 不動産取得税
- 登録免許税の2つ。
これらは、条件を満たせば国・自治体が公式に認める軽減措置を受けることができ、合法的に数十万円〜数百万円の節税が可能です。
・不動産取得税とは?
都道府県が課す税金で、原則として以下のように計算されます:
課税標準額 × 税率(4%)
しかし、住宅関連の特例を活用すれば税率が3%に下がり、さらに課税標準額(評価額)そのものも減額されます。
たとえば「長期優良住宅」や「低炭素住宅」として認定された建物では、
- 建物部分の課税標準を1,200万円控除(通常は1,200万円)
- 住宅用土地についても200㎡以下の部分を1/2軽減
これにより、数十万円単位の税負担削減が実現します。
・登録免許税の軽減措置
登記時に支払う税金で、建物の所有権保存登記や移転登記、抵当権設定登記などが対象。
通常の税率は以下の通りです:
|
登記内容 |
通常税率 |
軽減税率(特例適用時) |
|
所有権保存登記(新築) |
0.4% |
0.15% |
|
所有権移転登記(売買) |
2.0% |
1.5% |
|
抵当権設定登記 |
0.4% |
0.1%〜0.2% |
例えば、建物評価額が3,000万円の場合、通常の所有権保存登記なら12万円、軽減適用なら4.5万円に減額。これだけで7万円以上の節税になります。
・対象となる認定制度(2025年度版)
- 長期優良住宅 耐震性・省エネ性・維持管理性能などに優れ、住宅認定を受けると固定資産税・登録免許税・不動産取得税すべてで軽減。
- 低炭素住宅 二酸化炭素排出を抑える設備を導入した建物。 登録免許税の軽減に加え、法人の場合は中小企業投資促進税制との併用も可能。
- 認定ZEHビル・省エネ住宅改修 既存建物をリフォームして性能を上げる場合でも、 条件を満たせば同様の軽減措置が適用される。
法人でもこれらの認定住宅・改修に該当すれば、「住宅」としての扱いで減税対象になります。
・実務での効果
:取得時コストが10%以上変わることも
例:法人が建物価格4,000万円の長期優良住宅を新築した場合
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税目 |
通常 |
特例適用後 |
節税額 |
|
不動産取得税 |
約160万円 |
約90万円 |
約70万円減 |
|
登録免許税 |
約16万円 |
約6万円 |
約10万円減 |
合計で約80万円の節税。
さらに、固定資産税の軽減(1/2〜2/3)も併せて受けられるため、実質100万円超の負担減になるケースもあります。
・法人でも適用できる?
→ 「居住用の実態」があれば可
これらの特例は「個人住宅向け」と誤解されがちですが、法人が社宅・賃貸住宅・福利厚生施設として利用する場合も対象になります。
ただし、
- 実際に人が居住していること
- 一般住宅と同様の構造・設備であること
- 認定申請時に法人名義で登録していることが条件です。
つまり、節税のカギは“住宅用途の証明にあります。
・注意点
:申請期限と自治体ごとの取り扱い
多くの特例は「取得後60日以内」「登記前に認定取得」など、期限管理が非常に厳格です。
また、自治体によっては申請書類や評価基準が微妙に異なるため、事前に県税事務所・法務局・建築指導課への確認が必須。
「知らなかった」では救済されないのが、この分野の特徴です。節税できるかどうかは、“スケジュール管理が9割といえます。
・まとめ
- 不動産取得税・登録免許税は、認定住宅・改修で大幅に軽減可能。
- 法人でも社宅・賃貸住宅としての住宅用途があれば適用対象。
- 認定は「取得前・登記前」に申請することが条件。
- 初期費用を抑えれば、長期運用における投資利回りも向上。
- “知らなかったでは取り返せない、知識で差が出る節税。
節税とは、制度を知る者が得をする世界。
登記や取得は一度きりの機会ですが、その一度で数十万円の差が生まれます。
経営者にとって「買う瞬間こそ節税の始まり」
─これを押さえておくだけで、法人の不動産戦略は一段上のステージに進みます。

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