近年、全国で空き家の増加が続き、大きな社会問題となっています。
行政は法整備を進め、官民一体で対策を講じていますが、根本的な解決には「利活用」が不可欠です。
その中で、法律と行政手続きの専門家である行政書士の役割が注目されています。
■ 空き家が問題視される理由
空き家は放置されることで急速に老朽化します。
● 保安上の問題
・建材の飛散
・不法侵入や放火リスク
● 防災上の問題
・地震や台風時の倒壊危険
● 衛生上の問題
・害虫、害獣の発生
・ごみの不法投棄
● 景観上の問題
・雑草の繁茂
・地域イメージの低下
空き家は所有者個人の問題にとどまらず、地域全体へ悪影響を及ぼします。
■ 空き家対策特別措置法とは
2015年5月施行。
● 老朽化等により危険な空き家を「特定空き家」に指定
● 自治体が助言・指導・勧告・命令を実施
● 命令違反の場合は行政代執行も可能
調査では
・対策計画策定自治体 約3割
・助言・指導 8,555件
・勧告 417件
・命令 36件
・代執行 13件
法的拘束力は一定の抑止力となっていますが、所有者が動かなければ空き家は減りません。
■ 空き家が放置される主な理由
● 所有者の高齢化
・死亡や施設入所で空き家化
・相続人が遠方在住
● 法的制約
・建築基準不適合で再建築不可
・リフォーム困難
● 税制の問題
・建物があると固定資産税軽減
・解体すると税負担増
● 手続きの煩雑さ
・相続登記
・権利関係整理
・助成金申請
専門知識が必要な場面が多く、これが活用の障害となります。
■ 行政書士ができること
行政書士は国家資格者であり、以下を担います。
- 公官庁提出書類の作成・代理
- 相続手続き支援
- 契約書作成
- 権利関係整理
- 補助金申請支援
空き家対策では特に次の場面で活躍します。
- 相続関係の整理
- 売却前の法的確認
- 利活用のための許認可
- 行政との調整
市役所や消防署などとの日常的な業務経験があり、行政実務に精通している点が強みです。
■ 住宅セーフティネット制度への活用
2017年施行の住宅セーフティネット法。
- 高齢者
- 障がい者
- 低所得者
これら住宅確保要配慮者の入居を受け入れる住宅登録制度。
空き家の活用が政策目標に明記されています。
● 空き家を登録住宅として活用
● 介護・子育て支援施設への転換
● 宿泊施設への転用
ここでは
・所有者
・自治体住宅部局
・福祉部局
・支援法人
との連携が不可欠です。
行政書士は
・許認可手続き
・登録申請
・関係者間の調整
を担う橋渡し役となります。
■ 行政書士の役割の本質
- 個人の手続き支援
- 行政との調整
- 権利トラブルの予防
- 利活用計画の実現支援
単なる書類作成にとどまらず、空き家を「資産」に戻すための実行支援者といえます。
■ まとめ
・空き家問題は地域全体の課題
・法整備だけでは解決しない
・利活用が根本解決の鍵
・相続・税金・許認可が壁になる
・行政書士はその壁を越える専門家
空き家を「負担」から「資源」へ変えるには、正確な法的知識と行政実務の理解が不可欠です。
空き家を所有している方、相続予定の方は、早めに専門家へ相談することが将来の負担軽減につながります。

コメントをお書きください