空き家を所有していると、固定資産税や都市計画税などの維持費が毎年かかります。
さらに、相続時には相続税、売却時には譲渡所得税が発生し、税負担は決して小さくありません。
加えて、2015年の制度改正により、管理不十分な空き家は税負担が増える可能性もあります。
ここでは、空き家にかかる税金の主な節税方法を整理します。
■ 節税方法①
固定資産税の軽減措置を理解する
・固定資産税は毎年1月1日時点の所有者に課税
・税率は原則1.4%
・都市計画税は原則0.3%(市街化区域)
住宅用地の特例
・200㎡以下の部分は評価額×1/6
・200㎡超部分は評価額×1/3
つまり、建物が建っている土地は税金が大幅に軽減されています。
注意点
・「特定空き家」に指定されると特例が外れる
・固定資産税が最大6倍になる可能性
特定空き家の例
・倒壊の危険
・悪臭など衛生上問題
・景観を著しく損なう
・不審者出入りなど周辺へ悪影響
改善しなければ
・行政代執行で解体
・解体費用は所有者負担
解体すると特例が外れるのでは?
・通常は更地にすると軽減措置は終了
・しかし自治体によっては
解体補助制度
一定期間の税軽減措置
が用意されている場合あり
まずは自治体へ確認が重要です。
■ 節税方法②
3,000万円特別控除を活用
相続した空き家を売却する場合、一定条件で
・譲渡所得から3,000万円控除
例
・売却益500万円
→ 3,000万円控除内
→ 税金ゼロ
主な適用条件
・相続直前まで被相続人が一人暮らし
・1981年5月31日以前の建築
・相続後、事業・賃貸・居住に使っていない
・区分所有建物でない
売却条件
・相続から3年以内の12月31日までに売却
・売却価格1億円以下
・耐震基準を満たす(リフォームまたは解体)
・親族間売買ではない
・他の特例と併用不可の場合あり
ポイント
・売却には時間がかかる
・早めの準備が節税の鍵
■ 節税方法③
賃貸活用で相続税評価を下げる
空き家を生前に賃貸活用すると
・貸付事業用小規模宅地等の特例
適用で
・土地評価額を最大50%減額(200㎡まで)
適用要件
・相続開始3年以上前から貸付事業
・申告期限(死亡後10か月以内)まで継続
・宅地上に建物がある
・相続人が事業を承継
例外
・事業的規模なら3年未満でも適用可能な場合あり
メリット
・相続税評価額が下がる
・家賃収入で維持費を補える
デメリット
・3,000万円特別控除は使えなくなる
・空室リスクあり
■ 制度選択の考え方
空き家の状況により有利な制度は異なります。
売却予定なら
・3,000万円控除を最優先に検討
相続対策重視なら
・賃貸活用+小規模宅地特例
老朽化が進行しているなら
・解体補助制度+固定資産税軽減制度
感情ではなく
・評価額
・維持費
・相続人構成
・将来の利用計画
を数字で整理することが重要です。
■ まとめ
空き家にかかる主な税負担
・固定資産税
・都市計画税
・相続税
・譲渡所得税
主な節税策
・住宅用地特例の維持
・3,000万円特別控除
・小規模宅地等の特例
・自治体の解体補助制度
空き家は
「放置すれば税負担増」
「活用すれば節税可能」
という性質を持っています。
制度は複雑で併用制限も多いため、
売却か賃貸か相続か、方向性を決めたうえで専門家に相談することが、最も確実な節税対策になります。

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