山形で増える「実家じまい」の悩み
空き家や土地を“負の相続”にしないために
・山形でも、親が亡くなったあとに誰も住まなくなった実家や、使い道の決まらない土地をどうするかで悩む人が増えています。
県全体の人口は2026年2月1日時点で98万9951人まで減っており、人口減少の流れの中で、家を受け継いでも住む人がいないという問題は今後さらに重くなりやすい状況です。
・特に山形では、親世代は持ち家、子世代は仙台圏や首都圏に居住、という形が珍しくありません。
すると、相続が発生してもすぐに住む予定がなく、売るにも貸すにも動けないまま、実家だけが残ってしまいます。
放置すると固定資産税、除雪、草刈り、雨漏り対応など、地方ならではの維持負担がじわじわ効いてきます。
・しかも山形の空き家問題は、単に「古い家が多い」という話ではありません。
全国でも空き家は増加しており、2023年の住宅・土地統計調査では空き家は900万戸超、賃貸用・売却用などを除く空き家も増えています。
山形のように人口減少が進む地域では、この傾向がより現実的な重みを持ちます。
山形で空き家が放置されやすい理由
・山形では「親の家だから簡単に処分しにくい」という感情面が強くあります。
雪囲いをした家、仏壇のある座敷、農地や物置がついた実家。
思い出が濃い分だけ、売る・壊すの判断が遅れやすいのです。
・さらに、きょうだいが県外に散らばっていると話し合いそのものが進みません。
「売りたい人」と「まだ残したい人」が分かれ、名義変更も片付けも進まない。
結果として、何年もそのまま、というのが山形でもよくあるパターンです。
・そこで大事になるのが、親が元気なうちに一度だけでも話しておくことです。
「もしこの家を継ぐ人がいなかったらどうするか」「売るのか、貸すのか、誰が管理するのか」。
この確認があるだけで、相続後の混乱はかなり減ります。
相続登記の義務化で、先送りはしにくくなった
・2024年から相続登記が義務化され、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に登記申請をする必要が出てきました。
これで「名義をそのままにして様子を見る」というやり方は、以前より通りにくくなっています。
相続人が決まらず放置すると、売却も活用もできず、後の世代ほど整理が難しくなります。
・山形の実家問題では、まず「売るか残すか」より先に、名義を整えることが出発点です。
ここを曖昧にしたままでは、不動産会社に相談しても前へ進みにくいのが実務です。
山形の実家は「すぐ売れる」とは限らない
・山形市内でも、場所によって動きやすい物件と動きにくい物件の差は大きくなります。
中心部や生活利便性の高い地域はまだ動きやすくても、郊外や農地混在地域、前面道路や境界に難のある土地は、査定が出てもすぐ成約するとは限りません。
・また、昔は普通に建てられた家でも、今の建築基準法では再建築しにくいケースがあります。
道路幅員、接道、私道、下水、境界未確定など、地方の中古住宅では見落とせない論点です。
見た目がしっかりしていても、「使い勝手のよい不動産」とは限らないのです。
・価格の目安を見るときは路線価や固定資産税評価額も参考になりますが、山形ではそれだけで判断するのは危険です。
雪への対応、駐車場の取りやすさ、周辺の空き家状況、近隣需要の有無など、地域特性が価格に強く影響します。
片付け・解体は急がず、順番を守る
・実家の処分でまず詰まりやすいのが家財整理です。
山形の家は部屋数が多く、納屋や物置、仏壇、農機具、昔の贈答品まで残っていることが少なくありません。
自分たちだけで片付けようとすると、気持ちも時間も持っていかれます。
・さらに注意したいのが解体です。
「古いから先に壊そう」と考えがちですが、更地にすると住宅用地の特例が外れて固定資産税の負担が上がる場合があります。
しかも近年は解体費も上昇傾向です。売却の見通しが立たない段階で先に壊すと、山形では雪対策のいらない更地になっても、今度は税負担だけが残ることがあります。
山形では公的相談窓口も使える
・山形市では、空き家所有者や移住・住み替え希望者に対し、売買、賃貸、管理、解体、相続などについて原則無料で相談できる「空き家利活用相談窓口」が案内されています。
相談内容に応じて専門団体への取次ぎも行われています。
市の空き家対策ページでは、活用や管理のチャート図、空き家バンク、補助制度なども案内されています。
まとめ
・山形の実家や土地は、放置すると自然に解決することはほとんどありません。
人口減少が進む地域だからこそ、「いつか売れるだろう」は通用しにくく、時間がたつほど選択肢は減りやすくなります。
大切なのは、
・親が元気なうちに話す
・相続登記を後回しにしない
・売却、活用、管理の順番を整理する
・山形市や専門家の相談窓口を早めに使う
この4つです。
・実家は、準備があれば「家族を助ける財産」になります。
ですが、先送りすると“負の相続”に変わります。
山形で実家じまいに悩んだときほど、感情だけで抱え込まず、早めに整理を始めることが大切です。

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