墓じまいは「特別な話」ではなくなってきた
遠方・継承者不在の時代に、一度考えてみたいこと
最近は、相続の相談の中で「実家だけでなく、お墓をどうするか」まで話題になることが増えてきました。
昔は「お墓は守っていくもの」という考え方が中心でしたが、今は家族の住む場所も暮らし方も大きく変わっています。
そうした中で、墓じまいや改葬を現実的な選択肢として考える人が増えているようです。
鎌倉新書が2026年3月17日に公表した調査では、墓じまいを検討した理由として最も多かったのが「お墓が遠方にある」52.0%、次いで「お墓の継承者がいない」44.1%でした。
つまり、気持ちの問題というより、距離と継承の現実が墓じまいを考える大きなきっかけになっていることがうかがえます。
・この傾向は、山形でも他人事ではありません。
親世代は山形に住み、子世代は仙台や首都圏で暮らす。
こうした家族の形は珍しくなく、実家の管理だけでも大変なのに、お墓参りや清掃、法要のたびに遠方から動くのは、年齢とともに大きな負担になりやすいものです。
だからこそ、「まだ先の話」ではなく、一度家族で話してみることに意味があるのではないでしょうか。
費用は思ったより幅があるので、先に全体像を見たいところです
・墓じまいというと、「かなりお金がかかるのでは」と心配される方も多いと思います。
今回の調査では、実際に墓じまいをした、または進めている人の費用帯として「31万円~70万円」が31.3%で最も多く、「30万円以下」16.8%を合わせると、約半数が70万円以下で済んでいるという結果でした。
もっとも、151万円以上かかった人も14.0%いて、費用にはかなり差があることもわかります。
この差が出る理由としては、墓石の大きさ、立地、解体のしやすさ、遺骨の移転先の種類などが考えられます。
つまり、墓じまいは「いくらかかるか」よりも、どんな形で終えるかによって費用が変わるという見方をしたほうが実態に合っています。
たとえば、移転先を一般墓にするのか、永代供養墓にするのか、納骨堂にするのか、樹木葬にするのかで、負担感はかなり違ってきます。
そのため、工事費だけを見るのではなく、改葬先まで含めた総額で考えてみるやり方が合っているように思います。
「次の世代に負担を残さない」という考え方が強まっています
・今回の調査で目立ったのは、改葬先の変化です。
最も多かったのは「永代供養(合祀・合葬墓)」で43.2%にのぼり、前回より大きく増えました。
一方、従来型の「別の墓石があるお墓(一般墓)」は14.3%に減少しています。
樹木葬24.1%、納骨堂13.3%も含めると、継承者を必要としない供養形態を選んだ人が約8割に達しています。
この数字を見ると、いまは「立派なお墓を残すこと」よりも、子どもや孫に管理負担を残さないことを重視する人が増えていると考えられます。
もちろん、先祖代々のお墓を大切に守る考え方もありますし、どちらが正しいという話ではありません。
けれども、家族の人数、住む場所、将来の管理体制を考えると、こういう供養の形も一度検討してみる価値はありそうです。
手続きと親族調整が、思った以上に大きな壁になります
・墓じまいは、単に墓石を撤去すれば終わりではありません。
調査では、大変だったこととして「遺骨の引っ越し先選び」38.8%、「役所の手続き」32.3%が上位でした。
やはり、どこへ移すか、どう手続きを進めるかは、多くの人にとって負担になっているようです。
・山形市でも、改葬許可申請の案内が公式に出されており、申請書の提出や添付書類、使用者との関係が本人でない場合の承諾書など、確認すべき点があります。
窓口提出だけでなく郵送対応の案内もありますが、事前に流れを見ておくと動きやすくなります。
・また、検討したもののやめた人の理由では、「解体費用が高すぎた」22.2%が最多で、「親戚から理解を得られなかった」「手続きがめんどうだった」がともに18.9%でした。
費用だけでなく、親族間の温度差も大きな論点になることがわかります。
まとめ
・墓じまいは、縁を切る話ではなく、これからの家族に合った供養の形を考え直す作業ともいえます。
遠方にある、継ぐ人がいない、管理が難しい
―そうした事情があるなら、無理に先送りせず、こういうやり方もあると知ったうえで一度検討してみるのもよいのではないでしょうか。
特に山形のように、子世代が県外に出ているご家庭では、
・今後誰が管理するのか
・改葬先をどうするのか
・費用をどこまで見込むのか
・親族の理解をどう得るのか
このあたりを早めに整理しておくと、後で慌てにくくなります。
・お墓のことは感情もからむので、結論を急がなくて大丈夫です。
ただ、何も決めないまま年月だけが過ぎると、費用も負担も調整の難しさも増しやすいのは確かです。
「うちはどうだろう」と思った段階で、家族で話し合い、必要なら役所や専門家にも相談しながら、無理のない形を探ってみてください。

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