親が亡くなったら実家はどうする?
相続した不動産で最初にやるべきこと
親が亡くなったあと、預貯金や保険のことは気にしても、実家や土地の手続きは「あとで考えればいい」と後回しになりがちです。
けれども、不動産は放っておくほど話がややこしくなりやすく、相続人同士の意見の違いも出やすい財産です。
特に山形のように、親は地元に住み、子どもは県外に出ているご家庭では、「誰が管理するのか」「売るのか残すのか」で迷うことが少なくありません。
よくあるのが、「とりあえずそのままにしておこう」「名義変更は急がなくてもよいのでは」「家の中の片づけが終わってから考えよう」という流れです。
気持ちの整理がつかないうちは当然そうなりますが、実際には、不動産こそ最初の段階で基本を押さえておいたほうが後で困りにくくなります。
まず確認したいのは「誰の名義で、誰が相続人か」
親が亡くなったとき、不動産について最初に見るべきなのは、その不動産が誰名義なのか相続人が誰なのかこの2点です。
実家だからといって、必ずしも亡くなった親だけの名義とは限りません。
父名義だと思っていたら土地は祖父名義のまま、建物は母との共有だった、ということもあります。
名義が違えば、手続きの進め方も変わります。
相続人についても同じです。
配偶者と子どもだけと思っていたら、前婚の子がいた、亡くなった兄弟の代襲相続が入る、ということもあります。
ここをあいまいにしたまま話を進めると、あとで「その人にも権利があったのか」となり、話が止まってしまいます。
実例 山形の実家をそのままにしていたケース
たとえば、山形市内の実家について、こんな相談は珍しくありません。
父が亡くなり、長男は仙台、長女は東京在住。
母はすでに他界していて、誰も実家には住んでいませんでした。
「とりあえず空き家のままにして、落ち着いたら売ろう」と考えていたのですが、数年後に売却を進めようとしたところ、土地の一部が祖父名義のままで、さらに相続人の一人と連絡が取りにくい状態になっていました。
このケースでは、最初に名義確認と相続関係の整理をしていれば、もっと早く動けた可能性があります。
不動産は、感情の問題が大きい一方で、名義や権利関係はきちんと整えておかないと前へ進みません。
次にやるのは「遺言の有無」と「不動産の内容確認」
名義と相続人を確認したら、次は遺言書があるかどうかを見ます。
遺言があれば、その内容が手続きの出発点になります。
反対に遺言がなければ、相続人全員で遺産分割協議をして、不動産を誰が取得するか決めることになります。
あわせて、不動産そのものの内容も確認したいところです。
・土地と建物は両方あるのか
・固定資産税の納税通知書はどうなっているか
・接道や境界は問題ないか
・空き家なのか、誰かが住んでいるのか
・貸しているのか、自宅なのかこうした点で、今後の方針はかなり変わります。
実家を残すにしても、売るにしても、貸すにしても、まずは「何を相続したのか」を見える化することが大切です。
名義変更は後回しにしないほうがよい
最近は、相続登記を後回しにするリスクが以前より大きくなっています。
不動産の名義変更は「気持ちが落ち着いてから」と思いがちですが、長くそのままにすると、相続人が増えたり、連絡が取れない人が出たりして、一気に難しくなります。
特に不動産は、預金のように簡単に分けられません。
共有のままにすると、売却や活用のたびに全員の同意が必要になりやすく、「話がまとまらない家」になりがちです。
ですから、少なくとも誰が相続人か不動産を誰が引き継ぐ方向かまでは早めに整理しておくのが安心です。
家の片づけより先に、方向性を決める
実家の相続では、「まず片づけなければ」と考える方が多いです。
もちろん片づけは大事ですが、それより先に、この家を残すのか、売るのか、貸すのかという方向性を家族で話し合っておいたほうが無駄がありません。
というのも、売る予定の家に多額の片づけ費用をかけたのに、実は解体前提でしか売れなかった、ということもあります。
逆に、残すつもりだったのに、管理負担が大きく結局売ることになった、ということもあります。
つまり、片づけや修繕より先に、不動産の現状確認相続人の確認今後の方向性の共有をしておくことが大切です。
迷ったら「すぐ売るかどうか」ではなく「今の状態を整理する」
親が亡くなった直後は、感情的にも判断が難しい時期です。
ですから、いきなり「売る・売らない」を決めなくてもかまいません。
ただし、何もしないまま放置するのではなく、まずは
・名義を確認する
・相続人を確認する
・遺言の有無を確認する
・固定資産税資料や権利関係を集める
ここまで進めておくと、後の判断がとても楽になります。
まとめ
親が亡くなったあと、不動産について最初にやるべきことは、いきなり売却査定を取ることでも、急いで片づけることでもありません。
まずは、誰の名義か誰が相続人か遺言があるかどんな不動産かを確認することです。
この土台ができていれば、その後に・名義変更・遺産分割・売却・空き家管理・活用のどの方向に進むとしても、話がまとまりやすくなります。
実家の相続は、思い出がある分だけ判断が難しいものです。
だからこそ、感情だけで抱え込まず、最初の整理だけは早めにしておくことをおすすめします。
最初の一歩を間違えなければ、不動産相続はずいぶん進めやすくなります。

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