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実家に荷物が残ったままでも売れる? 片づけきれない家を売るときに知っておきたい考え方

 実家に荷物が残ったままでも売れる?

 片づけきれない家を売るときに知っておきたい考え方

 

 相続した実家や長年住んだ家を売ろうとするとき、かなり多くの方が最初にぶつかるのが、「荷物が多すぎて片づかない」という問題です。

 親の家には、家具、衣類、食器、仏壇、アルバム、贈答品、書類、趣味の道具など、本当にたくさんのものが残っています。

 しかも、それは単なる「物」ではなく、思い出や生活の跡でもあります。

 そのため、

 「売りたいけれど、まず片づけが進まない」

 「どこから手をつければいいか分からない」

 「全部なくさないと売れないのでは」

 と悩む方はとても多いです。

 

 結論から言うと、荷物がたくさん残っていても、売却そのものは可能なことがあります。

 ただし、そのままでよい場合とある程度整理したほうがよい場合があり、売り方によって考え方が変わります。

 

 実例 「片づけが終わらないから売れない」と止まっていたケース

 たとえば山形で、親から実家を相続した兄妹がいました。

 長男は仙台、長女は東京に住んでいて、誰もその家に住む予定はありませんでした。

 ただ、家の中には荷物が大量に残っており、仏壇や昔の写真、衣類や家具もそのままです。

 家族としては、

 「こんな状態では買う人に見せられない」

 「全部片づけてからでないと売れない」

 と思っていました。

 ところが、片づけを始めても、思い出の品で手が止まり、遠方から何度も通うのも難しく、結局数か月動けないままになっていました。

 

 そこで相談したところ、最初から完璧に空っぽにしなくても、まずは売り方を決めて、必要に応じて整理を進める方法があると分かりました。

 結果として、家財整理の範囲を絞り、売却と片づけを並行して進めることで、ようやく前に進んだのです。

 

 このケースのように、荷物があること自体より、「片づけないと何も進められない」と思い込んでしまうことのほうが、実は大きな足止めになることがあります。

 

 荷物があっても売れるケースはある

 まず知っておきたいのは、家の中に荷物が残っているからといって、必ず売却できないわけではないということです。

 特に次のような場合は、荷物が残っていても動かしやすいことがあります。

・古家付き土地として売る場合

・不動産会社の買取を考える場合

・買う側がリフォームや解体を前提にしている場合

・残置物込みでも条件調整ができる場合

 つまり、買う人が「中身までそのまま住める家」として見ていない場合には、荷物があることが絶対的な障害にならないことがあります。

 

 特に古い実家では、買う人が建物より土地に着目していることもあります。 

 その場合、売主が思うほど「中が片づいているか」は決定的ではないこともあります。

 ただし、荷物が多いと印象は悪くなりやすい

 

 とはいえ、荷物がたくさんある家は、やはり売りにくくなりやすい面もあります。

 理由は単純で、買う人が家の広さや状態をつかみにくいからです。

 部屋が物で埋まっていると、本当の広さが分からない床や壁の傷みが見えない湿気やにおいが気になる「片づけが大変そう」という印象が強くなるといったことが起こります。

 

 つまり、荷物があると、家そのものではなく、「片づけの大変さ」が前に出てしまうのです。

 買う人にとっては、家を買うのか、片づけの負担まで背負うのか、分からなくなりやすいわけです。

 

 全部片づけなくても、「見せられる状態」に近づけることは大事

 ここで大切なのは、全部空っぽにしないとダメではなく、少なくとも見せられる状態に近づけるという考え方です。

 たとえば、

・明らかなゴミは処分する

・貴重品や重要書類は先に抜く

・部屋ごとの荷物をある程度まとめる

・玄関、水回り、居間など印象に直結する場所を優先する

 こうした整理だけでも、見え方はかなり変わります。

 

 不動産売却では、完璧な片づけより、買う人が中を想像できるかのほうが大切なことがあります。

 ですから、最初から全室を一気に片づけるのではなく、見せる優先順位を決めて進めるのも現実的です。

 思い出の品は「売却準備」と切り分けたほうが進みやすい

 

 片づけが進まない大きな理由の一つが、思い出の品です。

 アルバム、手紙、衣類、仏壇まわり、趣味の道具などは、見始めると気持ちが動いてしまい、作業が止まりやすいものです。

 この場合は、売却のための片づけと思い出の整理を一緒にしないほうが進みやすいです。

 思い出の整理には時間がかかります。

 ですから、売却を進めるなら、まずは「残すものを抜く」「迷うものはひとまずまとめる」と割り切ったほうが、結果的に家族の負担が軽くなります。

 

 全部をきれいに整理してから売る、という理想を持ちすぎると、かえって何年も動けなくなることがあります。

 

 どうしても難しいなら、専門業者を使う方法もある

 遠方に住んでいる、体力的に難しい、家財が多すぎる、という場合は、遺品整理業者や残置物整理の専門業者を利用する方法もあります。

 費用はかかりますが、家族だけで抱え込んで止まってしまうより、前へ進みやすくなることがあります。

 また、場合によっては「最低限の仕分けだけ自分たちでして、あとは業者へ」というやり方もあります。

 全部を自分でやるか、全部を任せるか、ではなく、途中で線を引く考え方も大切です。

 

 まとめ

 荷物がたくさん残っていても、実家や自宅を売却できることはあります。

 特に、古家付き土地として売る場合や、買取を考える場合は、最初から完全に空にしなくても進められることがあります。

 ただし、荷物が多いと、家の印象が悪くなり、買う人が状態を判断しにくくなるのも事実です。

 そのため、全部片づけるではなく、見せやすい状態に近づけるという考え方が現実的です。

 売却準備では、貴重品を抜く明らかな不要物を減らす印象に直結する場所を優先するこの順で考えると進めやすくなります。

 実家の片づけは、物の整理というより、気持ちの整理でもあります。

 だからこそ、最初から完璧を目指さず、「売るために必要な分だけ、まず進める」という考え方を持つと、動きやすくなると思います。

 荷物が多いから売れない、ではなく、荷物が多くても進め方はある―そこを知っておくことが大切です。