実家はいくらで売れる?不動産の値段が“思っていたのと違う”理由

 実家はいくらで売れる?

 不動産の値段が“思っていたのと違う”理由をやさしく解説

 

 実家や自宅を売ろうと思ったとき、最初に気になるのは、やはり「いくらくらいで売れるのか」ということだと思います。

 相続で受け継いだ実家でも、自分が長く住んだ家でも、この疑問はとても自然です。むしろ、ここが分からないと、その先の判断が進みません。

 

 ただ、不動産の価格は、買い物のように「定価」があるわけではありません。

 同じ地域にある家でも、売れる値段にはかなり差が出ます。

 しかも、一般の方が思っている「うちの家の価値」と、実際に市場で売れる価格には、ズレがあることも少なくありません。

 

 そのため、不動産の値段を考えるときは、「いくらで売りたいか」ではなく、「いくらなら市場で動きそうか」という視点で見ることが大切です。

 

 実例 「もっと高く売れると思っていた」ケース

 たとえば山形で、親から相続した実家を売ろうと考えた方がいたとします。 

 家族としては、「土地も広いし、昔はかなりお金をかけて建てた家だから、それなりの値段になるはず」と思っていました。

 ところが、実際に査定を取ってみると、思っていたよりかなり低い金額が出ました。

 理由は、建物が古く、今の買い手にとってはリフォームや解体を前提に見られたこと、そして立地も「生活には便利だが、すごく人気が高い場所」とまではいかなかったからです。

 家族としては少しがっかりします。

 ですが、ここで大事なのは、思い出の価値と市場の価値は別だということです。

 住んでいた家には、どうしても感情が入ります。

 だからこそ、売却では冷静に市場目線を入れる必要があります。

 

 不動産の価格は、主に3つで決まりやすい

 一般の方に分かりやすく言うと、不動産の値段は、主に次の3つで決まりやすいです。

・場所 

 駅に近いか、生活しやすいか、周辺の需要があるか。 

 山形でも、同じ市内でも中心部と郊外では動き方がかなり違います。

・土地の条件 

 広さ、形、前の道路、間口、境界の明確さなど。

 土地は広ければ高いとは限らず、使いやすい形かどうかも大きく影響します。

・建物の状態

  築年数、傷み具合、雨漏り、傾き、設備の古さなど。

  古い家でも売れることはありますが、建物に高い価値がつくとは限りません。

 つまり、「土地があるから高い」「家が大きいから高い」とは単純にはならないのです。

 

 「査定額=必ず売れる値段」ではありません

 ここでよく誤解されるのが、不動産会社の査定額です。

 査定を取ると、会社によって金額が違うことがあります。

 中にはかなり高めの金額を出してくる会社もあります。

 ですが、その金額で本当に売れるかどうかは別問題です。

 査定額は、あくまで「このくらいで売り出せそう」という見立てであって、成約を保証するものではありません。

 高い査定額が出たから安心、というわけではなく、むしろ「なぜその金額なのか」を見ることが大切です。

 一般の方が失敗しやすいのは、一番高い査定を出した会社に、そのまま決めてしまうことです。

 最初は高く出して、後で「やはり相場的に厳しいので値下げしましょう」となることもあります。

 ですから、金額だけでなく、説明の中身や根拠を見るほうが安全です。

 

 売れる値段は「相場」と「タイミング」で変わる

 不動産の値段は、その家単独で決まるわけではありません。

 近くで似たような物件がどのくらいで売れているか、今その地域で買いたい人がどれくらいいるか、といった相場やタイミングも大きく関係します。

 たとえば、同じような家でも、売り物が少ない時期なら比較的動きやすいことがありますし、逆に近隣に条件のよい物件がたくさん出ていれば、見劣りしてしまうこともあります。

 つまり、不動産の価格は、家そのものの価値だけでなく、市場の中でどう見えるかで変わるのです。

 

 実家は「建物」より「土地」で見られることも多い

 相続した実家でよくあるのが、築年数がかなりたっているケースです。

 この場合、家族は建物にも価値を感じていますが、買う側は「古家付き土地」として見ることがあります。

 つまり、建物に高い値段がつくというより、土地を買って、建物は使えるなら使う、難しければ解体する、という見方です。

 このため、「家を建てたときにかなりお金がかかった」という事実が、そのまま今の売値に反映されるとは限りません。

 ここは、とても気持ちの整理が難しいところですが、売却では避けて通れない現実でもあります。

 

 まずは「ざっくり相場」を知るところからでよい

 とはいえ、最初から正確な金額を知ろうとしなくても大丈夫です。

 まずは、

・近隣の売り出し事例を見る

・固定資産税の資料を手元に置く

・不動産会社に査定を依頼する

 このあたりから始めれば十分です。

 

 大切なのは、思い込みで高すぎる期待を持たないことと安く言われたからすぐ決めないことです。

 不動産の価格は幅があります。

 だからこそ、最初は「ざっくり相場」をつかみ、その後に条件を整理していく進め方が現実的です。

 

 まとめ

 自宅や実家がいくらくらいで売れるかは、多くの方が最初に気になることです。

 ただし、不動産には定価がなく、場所土地の条件建物の状態地域の相場によって価格が変わります。

 また、査定額がそのまま売れる値段とは限りません。

 高い査定が必ずよいとは限らず、金額の根拠を見ることが大切です。

 特に相続した実家では、思い出があるぶん、家族の感じる価値と市場価格に差が出やすいものです。

 だからこそ、まずは

・相場を知る

・複数の見方を比べる

・感情と市場を分けて考える

 この3つを意識すると、売却の判断がしやすくなります。

 

 実家の値段は、聞くのが少し怖いこともあります。

 けれども、知らないまま悩むより、一度現実の数字を見たほうが、次の一歩は踏み出しやすくなります。

 売るかどうかを決める前でも、まずは「今どのくらいで見られるのか」を知ることから始めてみるのがおすすめです。