見直しでは、新契約が成立する前に旧契約を解約してはいけない。
保険見直しの相談で、実は一番怖いのは「商品選び」より「順番の間違い」です。
新しい保険の方が保険料が安い、保障がよい、今の家族構成に合っている。
そうした理由で見直し自体は必要になることがあります。
けれども、見直しを急ぐあまり、新しい契約が正式に成立する前に古い契約を解約してしまうと、思わぬ保障の空白が生まれます。
多くの方は、「申し込んだのだからそのまま入れるだろう」と考えがちです。
ですが保険は、申込書を書いた時点で終わりではありません。
告知内容や健康状態、職業、過去の病歴などに応じて、条件付き承諾、不承諾、特定部位不担保などがつくことがあります。
つまり、自分では“乗り換えるつもり”でも、新契約が希望どおり通るとは限らないのです。
実例として、長年入っていた医療保険を「今の保険の方が安い」と勧められて解約し、その後に新契約の審査で持病を理由に条件がついたケースがあります。
結果として、以前より保障が薄くなったり、特定の病気が対象外になったりして、見直し前より不利になってしまいました。
もっと極端な場合は、新契約が通らず、いったん解約した旧契約にも戻れないということがあります。
これは、見直しというより、保障の空白を自分で作ってしまった状態です。
更新型保険や古い契約を整理したい時ほど、この順番は重要です。
古い契約には予定利率や継続条件など、今では得がたい部分が残っていることもあります。
ところが、新しい商品の見た目の良さばかりに目が向くと、「古いものはとにかく切ってよい」と考えてしまいがちです。
実務では、古い契約を切ってから新しい契約を比べるのではなく、新しい契約が確実に成立し、内容も納得できてから、初めて旧契約をどうするか考えるのが基本です。
また、保険見直しでは「全部解約して新しく一本化する」という話が魅力的に聞こえることがありますが、必ずしもそれが最善とは限りません。
必要な部分だけを残す、特約だけを外す、減額する、といった調整で済むこともあります。
保険見直しは、白か黒かではなく、部分修正も含めた作業です。順番を間違えると、その柔軟性が失われます。
保険は、契約した瞬間より、見直しの時に失敗しやすい商品です。
なぜなら、見直しには「今の不満」と「将来の不確実さ」が同時にあるからです。
今の保険料が高いからといって、将来の保障を軽く見てはいけません。
保険見直しの鉄則は、とても地味ですが強力です。
新契約の成立確認が取れるまで、旧契約は動かさない。
これを守るだけで、防げる失敗は驚くほど多いのです。

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