· 

法人版ふるさと納税(地域再活性化寄附金)

  法人版ふるさと納税(地域再活性化寄附金)

   ―“地域貢献がそのまま節税につながる新しい時代―


 「どうせ税金を払うなら、地元の役に立つ形にしたい」そんな経営者の想いを、まさに制度として形にしたのが『法人版ふるさと納税(地方創生応援税制)』です。

 個人のふるさと納税はすっかり定着しましたが、実は法人向けにも同様の仕組みがあり、しかも控除率が“桁違いに高いのです。

 

🔹制度の概要

 法人版ふるさと納税は、企業が自治体の地方創生プロジェクトに寄附を行うことで、法人税・住民税・事業税から最大9割の税額控除が受けられる制度です。

 たとえば、100万円を寄附した場合、実質負担はわずか約10万円。

 90万円分は税金から控除されるため、「寄附」というよりも「税金の使い道を自分で選ぶ」イメージに近いです。

 

🔹控除の内訳(現行制度の目安)

税区分

控除割合

備考

法人住民税

寄附額の最大30%

特別控除あり

法人事業税

寄附額の最大20%

地方税部分

法人税

寄附額の最大40%

税額控除上限あり

合計

最大約90%

実質負担10%前後

 


 つまり、100万円を寄附しても90万円が税控除されるため、10万円で100万円の地域貢献ができる計算です。

 

🔹対象となる寄附先

 この制度で寄附できるのは、国が認定した「地方公共団体の地方創生プロジェクト」です。

 たとえば、山形県内でも次のような事業が該当します。

  • 若者の地元定着を支援する就職促進プロジェクト
  • 空き家リノベーションを通じた地域再生事業
  • 農業の担い手育成・6次産業化支援
  • 観光地のデジタル化推進

 企業として“自社の理念に合ったプロジェクトを選べるのも魅力です。

 

🔹実際の手続きの流れ

  • 寄附したい自治体を選ぶ 総務省HPなどで対象プロジェクト一覧を確認。
  • 自治体へ寄附申込書を提出 使途(プロジェクト名)を指定して申込み。
  • 自治体から寄附金受領証明書を受領 決算時に税務申告書に添付。
  • 翌年度の法人税・住民税・事業税から控除

 実際には、税理士や行政書士がサポートすれば数日の手続きで完了します。

 

🔹ケーススタディ:山形市のG社

 G社(製造業)は、地域の若手人材育成プロジェクトに200万円を寄附。

 結果、法人税・住民税から約180万円が控除され、実質負担額はわずか20万円に。 
 さらに、この寄附をHPや会社案内で「地域貢献の実績」として掲載。

 地元高校や自治体との信頼関係が深まり、採用活動でも応募が増加しました。

 つまり、節税とブランディングの両立を達成した好例です。

 

🔹注意点と活用のコツ

  • 損金算入+税額控除の両方が認められる点が最大のメリット。
  • ただし、控除上限は法人税額の20%まで。大口寄附の場合は事前試算が必要。
  • 「返礼品」はありません(あくまで社会貢献目的の制度)。
  • プロジェクト内容によっては“PR効果を活かせる。HPやCSR報告書で発信を。

🔹まとめ:

 「税を減らす」から「税で地域を動かす」へ

 法人版ふるさと納税は、単なる節税策ではなく、「企業の社会的責任(CSR)」と「税の合理化」を融合させた制度です。


 払う税金を“選択し、地元を良くしながら、会社の信用も上がる。その構図こそが、これからの経営者が目指すべき「新しい節税の形」。