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益を分けて、税率を下げる。これが法人の頭脳的節税

益を分けて、税率を下げる。これが法人の頭脳的節税


 法人税率は、すべての会社が同じではありません。
 

 資本金や所得金額によって税率が変わるのをご存じでしょうか。

 
 中小企業の場合、所得(利益)800万円以下の部分には軽減税率が適用されます。
 

 つまり、稼ぎすぎなければ税率が下がるという、知る人ぞ知る仕組みなのです。

 

🔹中小企業軽減税率とは

 法人税の基本税率は23.2%ですが、資本金1億円以下の中小法人については、 所得800万円以下の部分に15%(中小特例:実質約19%)が適用されます。

区分

課税所得

法人税率

中小企業(資本金

1億円以下)

年800万円以下

15%(軽減税率)

同上

800万円超部分

23.2%(通常税率)

 

  この差は8.2ポイント。 利益800万円に対して、約66万円の税額差が生じます。

 

🔹なぜ節税になるのか

 たとえば、A社の利益が1,600万円あったとします。

 通常ならその全額に23.2%がかかり、税金は約371万円。

 しかし、軽減税率を適用すれば、

800万円 × 15% = 120万円

残り800万円 × 23.2% = 186万円合計306万円。

 差額は約65万円の節税効果です。

 しかも、複数法人をうまく設計すれば、各法人で800万円以下の範囲に利益を分散でき、節税効果はさらに拡大します。

 

🔹分社化で節税効率を上げる

 経営が拡大し、事業が複数ある場合には、事業ごとに法人を分ける(分社化)のも一つの方法です。

 たとえば、

l 不動産管理会社

l 建設製造会社

l コンサルティング会社

 などに分ければ、それぞれで軽減税率を適用でき、1法人あたり800万円までが15%に。

 3社体制なら、最大で2,400万円分まで軽減税率の恩恵を受けられることになります。

 もちろん、実態を伴わない形式的な分社は税務リスクがありますが、取引契約人員口座を明確に区分すれば、合法的な「組織設計型節税」です。

 

🔹ケーススタディ:山形の不動産会社T社

 T社は本業(賃貸管理)とサブ事業(コンサルティング)を一体で運営していましたが、利益が年1,500万円を超え、法人税負担が重くなっていました。

 顧問税理士の助言で、サブ事業部門を新法人として分社化。

結果、

本社法人:利益700万円 → 税率15%

子会社法人:利益600万円 → 税率15%

合計1,300万円の利益に対して、従来より約80万円の節税を実現。 さらに、管理部門を本社に集約したことで経営効率もアップしました。

 

🔹実務でのポイント

 軽減税率の対象要件

l 資本金1億円以下

l 大企業の子会社でない

l 受取配当特定法人を除く

l 分社化は実体を伴わせること→ 住所事業内容帳簿口座を別に。

l 利益調整のしすぎは危険→ 税務署は「恣意的な利益分散」を警戒。

l個人事業→法人化も有効→ 法人化することで15%の軽減税率を享受できる。

 

🔹税率の壁を見える化する

 
 利益が出ている会社ほど、税率の段階を意識することが重要です。

 税率の階段を上がる前に、

l 設備投資

l 退職金引当

l 役員報酬調整などで、利益を800万円以内にコントロールすることが可能です。

 
 まさに「税率を設計する経営」。

 これが、賢い経営者が実践する中小法人の王道節税です。

 

🔹まとめ:

 「法人をどう使うかで、税金は変わる」


 税率を下げるのは、特別なスキームではありません。

 制度を知り、枠の中で動くことが最強の節税です。


 利益を分け、役割を分ける。それだけで、会社のキャッシュは確実に増えます。


 税金は払うものではなく、設計するもの。中小企業軽減税率は、その第一歩です。