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口座凍結で、亡くなった親の年金はもらえない?

 

 亡くなった親の年金はもらえない?

 口座凍結で受け取れない「未支給年金」をわかりやすく解説

 

 親が亡くなったあと、遺族は葬儀や役所、銀行などの手続きに追われます。

 その中で意外と見落とされやすいのが、未支給年金です。

「亡くなったのだから、その後の年金はもらえないのでは」

「口座が凍結されたら、そのまま終わりでは」

そう思ってしまう方も少なくありません。

 

 しかし実際には、年金は亡くなった月分まで支払われる仕組みです。

 そして、まだ受け取っていない年金があるときは、一定の遺族が未支給年金として請求できます。

 日本年金機構も、亡くなった方が受け取ることができなかった年金については、亡くなった方と生計を同じくしていた遺族が請求できると案内しています。 

 知らないまま手続きをしないと、本来受け取れるはずのお金をそのまま取り逃してしまうことがあります。

 ここでは、未支給年金の仕組み、受け取れる人、手続きの流れをわかりやすく整理します。

  • 未支給年金とは何か

 年金は、亡くなったらその時点で全部終わるわけではありません。

 亡くなった月分までの年金は支払われます。

 日本年金機構も、「年金は亡くなった月分まで支払われる」と明記しています。 

 ただし、年金は後払いです。

 そのため、亡くなった時点では、すでに受け取る権利があるのに、まだ本人の口座に入っていない年金が残ることがあります。

 こうした年金を、遺族が請求して受け取るのが未支給年金です。 

 

 未支給年金にあたるのは、主に次のような場合です。

  • 年金を受けている方が亡くなったときに、まだ振り込まれていない年金がある
  • 亡くなった日より後に振り込まれた年金のうち、亡くなった月分までの年金がある
  • 年金を受け取る権利はあったが、請求しないまま亡くなった

 これらは日本年金機構の実務資料でも整理されています。 

 

 親が亡くなったあと、口座凍結で年金が受け取れないことがある

 未支給年金が問題になりやすいのは、銀行口座の凍結があるからです。

 親が亡くなったあと、金融機関に連絡して口座が使えなくなると、その後に国から年金が振り込まれても、手続き上そのまま自由に使えるとは限りません。

 しかも、未支給年金は自動的に別の口座へ振り直してもらえるわけではありません。

 遺族が自分で請求手続きをしなければ、受け取れないのが原則です。

 日本年金機構も、未支給年金を受け取れる遺族がいる場合は、所定の請求書を提出するよう案内しています。 

 つまり、

「口座に入らなかったなら、そのうち案内が来るだろう」

と考えて何もしないと、そのままになってしまう可能性があります。

 

 未支給年金は誰が受け取れるのか

 未支給年金は、誰でも受け取れるわけではありません。

 受け取れるのは、亡くなった方と生計を同じくしていた遺族です。

 順位は次の順番で決まっています。

  • 配偶者(事実婚を含む)
  • 父母
  • 祖父母
  • 兄弟姉妹
  • それ以外の3親等内の親族

 この順位は日本年金機構の資料に基づくものです。 

 ここで大事なのは、「同居していたか」だけで決まるわけではないという点です。

 日本年金機構の実務資料では、住民票上同一世帯である場合のほか、別世帯でも一定の事情により「生計を同じくしていた」と確認される場合があるとされています。 

 たとえば、離れて暮らしていても、仕送りや継続的な援助があった場合には、事情によって認められる余地があります。

 そのため、「別居だったから無理だ」と最初からあきらめないことが大切です。

 

 未支給年金はいくらくらいになるのか

 未支給年金の金額は、亡くなった方の年金額や、何か月分が未払いになっているかで変わります。

 そのため、一律ではありません。

 参考になる数字として、厚生労働省の令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況では、厚生年金保険第1号の老齢給付の受給権者の平均年金月額は、老齢基礎年金を含めて15万円とされています。 

 また、厚生労働省の2026年度の年金額改定資料では、厚生年金期間中心の男性のモデル年金は月額176,793円とされています。 

 つまり、ケースによっては未支給年金が数万円から十数万円、場合によってはそれ以上になることもありえます。

 葬儀費用やその後の生活費がかかる時期だけに、この金額を見落とすのは小さくありません。

 

 未支給年金は5年以内なら請求できる

「もう口座を止めてしまった」

「かなり前のことだから遅いかもしれない」

そう感じる方もいるかもしれません。

ですが、未支給年金には5年の時効があります。

 つまり、支払われるはずだった時から5年以内であれば、請求できる可能性があります。

 未支給年金の請求期限については、日本年金機構の案内でも5年が基準になります。 

 心当たりがある場合は、できるだけ早く確認したほうが安全です。

 時間がたつと、必要書類の取得や事情説明も面倒になりやすくなります。

 

 未支給年金の請求に必要な主な書類

 未支給年金を請求するときは、年金受給権者死亡届(報告書)兼 未支給年金・未支払給付金請求書などを提出します。

 これは日本年金機構のホームページから確認できます。 

 そのほか、一般的に必要になる主な書類として、次のようなものがあります。

  • 亡くなった方の年金証書
  • 亡くなった方と請求する遺族の続柄が分かる戸籍謄本など
  • 亡くなった方の住民票の除票
  • 請求する遺族の住民票
  • 振込先口座が分かる通帳など

 実際に必要な添付書類は、請求する人との続柄や、生計同一の確認方法によって変わることがあります。

 日本年金機構も、個別の事情によって添付書類が異なることを前提に案内しています。 

 そのため、最初から全部を自己判断でそろえようとするより、年金事務所や街角の年金相談センターに確認しながら進めるほうが確実です。

 

 未支給年金の手続きはどこでするのか

 手続き先は、年金事務所または街角の年金相談センターです。

 日本年金機構の案内でも、亡くなった方が年金を受けていた場合の手続きは、所定の届出・請求書を提出する流れになっています。 

 

 手続きの前に確認しておきたいのは、

  • 亡くなった方の基礎年金番号が分かるか
  • どの遺族が請求順位の上位か
  • 生計同一をどう説明するか
  • どの書類を準備する必要があるか

このあたりです。

 ここが整理できていれば、手続きはかなり進めやすくなります。

 

 未支給年金は見落とさず、きちんと確認したいお金

 親が亡くなった直後は、やるべきことが多すぎて、年金のことまで頭が回らないことも珍しくありません。

 ですが、未支給年金は、親が長年保険料を納め、あるいは受給権を持っていたからこそ発生するお金です。

 だからこそ、

  1. 亡くなった月分まで年金が出ること
  2. 自動ではなく請求が必要なこと
  3. 生計同一の遺族に受け取れる可能性があること
  4. 5年以内なら請求できること

 この4点は、ぜひ押さえておきたいところです。 (年金ネット)

 

「うちは対象か分からない」

「別居だったから無理かもしれない」

「もう時間がたっている」

そんな場合でも、事情によっては請求できることがあります。

 まずは年金事務所で確認することが大切です。