退職金を前もって損金化する賢い方法
― 確定給付企業年金の導入で安定と節税を両立!
社員の将来に備える「退職金制度」。
実は、これを上手に設計することで、会社の節税と人材定着の両方を叶えることができます。
その鍵となるのが「確定給付企業年金(DB:Defined Benefit Plan)」です。
福利厚生の強化だけでなく、損金算入による節税効果も大きい注目の制度です。
☆確定給付企業年金とは?
確定給付企業年金とは、「将来支給する年金額(または退職金額)」をあらかじめ約束し、その給付原資を会社が毎年拠出する制度です。
簡単に言えば、「会社が社員のために積み立て、退職時に安定した給付を保証する仕組み」です。
社員にとっては老後の安心、会社にとっては節税効果のある将来準備金―まさにWin-Winの制度です。
☆節税の仕組み
確定給付企業年金の最大の特徴は、会社が拠出する掛金を全額損金算入できる点です。
たとえば、毎年500万円を年金資産として拠出した場合、この500万円は当期の経費として計上され、課税所得を減らすことができます。
法人税率を30%とすれば、年間150万円の節税効果です。
しかも、掛金は「退職金の事前積立金」として扱われるため、将来の大きな退職金支払いに備えて資金を平準化できるという経営上のメリットもあります。
☆企業年金のタイプと導入の流れ
確定給付企業年金には主に2タイプがあります。
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タイプ |
概要 |
特徴 |
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基金型 |
企業年金基金を設立して運用 |
独自制度だが手続きが複雑 |
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規約型 |
企業単位で信託銀行・ 保険会社に委託 |
手軽に導入可能・ 中小企業向き |
中小企業では「規約型(信託銀行・保険会社契約)」が一般的です。
導入までの流れは次のとおりです。
l 導入目的と対象社員を明確化
l 年金給付規約(ルール)を作成
l 厚生労働省への届出
l 信託銀行や保険会社との契約
l 年金資産の拠出開始
制度設計さえ整えば、1〜2か月で運用を開始できます。
☆山形市の実例:建設業L社のケース
山形市の建設業L社では、社長の「退職金の準備を計画的に行いたい」という意向から、従業員5名を対象に確定給付企業年金を導入。
年間拠出額は合計400万円。
これを損金算入したことで、約120万円の法人税が軽減されました。
さらに、従業員からは「老後資金の安心感が増した」と好評で、離職率も低下。
財務の安定と職場の信頼感、両面の成果を上げています。
☆注意点と他制度との比較
l 掛金は全額損金算入できるが、解約時には「残余資産」が課税対象になる場合あり。
l 年金資産の運用リスクは基本的に会社が負担(=安定性を重視した運用が必要)。
l 「確定拠出年金(DC)」は逆に社員が運用責任を負うため、役職構成や社員層に応じて選択することが重要。
退職給付引当金制度や中小企業退職金共済(中退共)との併用も可能ですが、重複計上しないように税務上の整合性を取る必要があります。
☆専門家の視点
確定給付企業年金は、「退職金の事前損金化」ができる唯一の制度です。
しかも、企業の信用力や社会的評価にもプラスに働きます。
行政書士や税理士として助言するなら、
l 「社長の退職金準備」
l 「従業員の福利厚生強化」
l 「税負担の平準化」この3点をバランスよく設計するのが成功の秘訣です。
導入費用に補助金が出る自治体もあるため、事前調査も忘れずに行いましょう。
☆まとめ
確定給付企業年金は、「人の安心」と「会社の節税」を両立する最強の仕組み」。
今のうちに備えれば、未来の負担が減るそれがこの制度の本質です。
退職金を後回しにせず、計画的に積み立てる。
それが経営の安定と社員の信頼を同時に得る、現代的な経営スタイルなのです。

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