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事業承継の切り札 事業承継税制で納税ゼロも可能に?非上場株式の承継で差がつく理由

 【事業承継の切り札】事業承継税制で納税ゼロも可能に?

   非上場株式の承継で差がつく理由

 

 中小企業の社長にとって「自社株をどう引き継ぐか」は最大の悩みのひとつです。 
 せっかく長年かけて築いた会社でも、相続税や贈与税が重すぎて後継者が受け取れない…。

 そんなケースを救うために国が用意した制度が、「事業承継税制(納税猶予制度)」です。

 

☆ 納税が猶予されるとはどういうことか

 この制度を使うと、後継者が会社の株式を相続または贈与で引き継いだ際にかかる相続税や贈与税の支払いを猶予(事実上の免除)できるというもの。

 つまり、通常なら何千万円も課税される自社株の承継でも、この制度を活用すれば納税をほぼゼロにできるケースがあります。

 たとえば、株価が高く純資産が数億円規模の会社では、後継者が相続するだけで巨額の税金が発生します。

 しかし、要件を満たして事業承継計画を提出すれば、その税額が100%猶予(非上場株式の場合)となる可能性があるのです。

 

☆ 制度の対象と主な要件

 ただし、どんな会社でも自動的に使えるわけではありません。

 主な要件は以下の通りです。

l 対象会社: 中小企業基本法上の中小企業(上場企業は対象外)

l 対象株式: 先代経営者が所有する非上場株式

l 後継者: 代表権を有し、継続して経営を行う者(1人のみ)

l 手続き: 「認定支援機関(税理士行政書士など)」の関与と「事業承継計画書」を都道府県に提出すること

 さらに、承継後も雇用の維持事業継続などの条件が求められます。

 ただし、近年は制度が大幅に緩和され、以前よりも使いやすくなっている点も見逃せません。

 

☆ どんなときに有効か

 この制度が最も力を発揮するのは、次のようなケースです。

l 会社の資産が多く、株価が高い(特に不動産内部留保が多い)

l 後継者が複数いるが、経営は一人に任せたい

l 後継者が現金で相続税を払えない

l M&Aよりも「家族経営の継続」を重視したい

 
 納税猶予は「支払いを先送りする」制度ですが、10年以上事業を継続すれば、最終的に免除される場合もあります。

 つまり、実質的に「非課税承継」を実現できるのです。

 

☆ 注意点と落とし穴

 便利な制度ではありますが、実務上は申請のタイミングと書類の正確さが命。

 以下のような失敗例も多く見られます。

l 「事業承継計画書」を出さずに株式を移してしまった

l 認定支援機関を通さず申請したため認定されなかった

l 雇用要件を満たせず、猶予が取り消された

 
 一度取り消されると、猶予されていた税金+利子税が一気に発生。

 その金額は数千万円単位になることもあるため、専門家のサポートは必須です。

 

☆ まとめ

  事業承継税制は、オーナー社長にとって第二の退職金対策とも言える制度。

 正しく使えば「納税ゼロでのバトンタッチ」も夢ではありません。

 ただし、制度の仕組みは複雑で、申請期限や実行順序を誤ると逆効果になることも。

 まずは、信頼できる税理士や行政書士、そして認定支援機関とともに「承継計画」から始めることが成功の第一歩です。