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株価を下げる最後の手段?債務超過に近づけて自社株の評価を抑える方法

【株価を下げる最後の手段?】

  債務超過に近づけて自社株の評価を抑える方法

 
 「うちの株価が高すぎて、子どもに株を渡すと税金が莫大に…」
 そんな悩みを抱える中小企業オーナーにとって、株価をどう下げるかは、まさに事業承継の成否を分ける課題です。

 
 中でも、財務的に債務超過に近づけるという手法は、合法的かつ効果的に株価を引き下げる方法のひとつとして知られています。

 ただし、慎重な設計が必要な両刃の剣でもあります。

 

☆ 株価評価の仕組みをおさらい

 自社株の評価は、原則として「純資産価額方式」で行われます。

 これは会社の資産から負債を差し引いた純資産をベースに株価を算出する方式。

 したがって、純資産が多ければ株価は高く、純資産が減れば株価は低くなる。

 つまり、会計上債務超過(純資産がマイナス)に近い状態になれば、株価評価が大幅に下がるのです。

 

☆ なぜ「債務超過に近づける」と株価が下がるのか

 たとえば、 
 資産が2億円、負債が1億円なら純資産は1億円。

 一方、資産が1億5000万円、負債が1億4000万円になれば純資産は1000万円。

 このように純資産が減少すれば、税務上の株価評価はそれに応じて下がり、後継者の相続税贈与税が大幅に軽くなるというわけです。

 
 ただし、当然ながら「意図的に赤字を出す」ような操作は不正とみなされます。

 重要なのは、会計上正当な取引を通じて純資産を減らすということです。

 

☆ 実際に使われる3つの方法

 債務超過に近づけるためには、以下のような手段があります。

l 役員退職金
賞与の支給 損金計上によって純資産を一時的に減らす(前項で解説)。

l 設備投資や修繕費の計上 必要な投資を早めに実行し、利益を圧縮。

l 不良資産貸倒債権の処理 実態に合わせた資産評価を行い、過大な帳簿価額を是正。

 これらはいずれも実質を伴う経営判断として税務上も認められやすいです。

 「節税のための赤字」ではなく、「経営健全化の一環」として実施するのがコツです。

 

☆ 注意点:

 やりすぎは信用を失う

 ただし、債務超過状態に陥ると次のようなリスクも伴います。

l 銀行融資の審査でマイナス評価

l 取引先仕入先からの信用低下

l 補助金助成金申請時に不利

 
 そのため、意図的な赤字を作るのではなく、
 「将来の投資に備えるための調整」という位置づけが大切です。

 決算書をどう見せるかによって、税務署だけでなく金融機関の評価も大きく変わります。

 

☆ 実務のポイント

l 節税目的を前面に出さない 「事業承継の準備」「経営再構築」などの文脈で説明を。

l 複数年で段階的に実施 一気に純資産を減らすより、2~3年かけて徐々に行うほうが自然。

l 専門家の監修を入れる 税理士行政書士コンサルタントと連携して書面を整備。

 

☆ まとめ

 債務超過に近づけるという手法は、短期的には株価を引き下げ、相続税を軽減できる強力な節税策です。

 しかし同時に、金融信用リスクという副作用もあります。

 重要なのは、「見せ方」ではなく「実質」を整えること。 決算調整を通じて財務の透明性を高め、同時に株価評価を適正水準に導く。

 それが、オーナー社長にとっての本当の防衛型節税といえるでしょう。