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借りて継ぐという新常識 経営承継貸付制度を使って、株式取得と納税資金を同時に解決する方法

【借りて継ぐという新常識】

  経営承継貸付制度を使って、株式取得と納税資金を同時に解決する方法

 

 「会社は継ぎたい。でも株を買うお金がない。」 ーそんな後継者の悩みを、国が本気で支援する仕組みがあります。

 それが、経営承継貸付制度(中小企業基盤整備機構などによる融資制度)です。

 この制度を使えば、後継者が借入金で株式を取得し、さらに返済を会社の配当などでまかなうことが可能になります。 
 しかも、場合によっては納税猶予や金利優遇まで受けられるー
 まさに「事業承継の資金繰りを根本から救う制度」です。

 

☆ 経営承継貸付制度とは?

 中小企業庁が推進する「事業承継支援」の一環で、後継者が自社株を取得するための資金を低利で貸し出す仕組みです。

 対象となるのは、

l 親族内承継(息子娘など)

l 従業員承継(MBO)

l 第三者承継(外部の経営者)

 と幅広く、誰もが使える承継融資制度といえます。

 貸付金は、

l 株式買取資金

l 事業引継ぎ費用

l 納税資金などに充てることができ、融資額は最大1億円前後が一般的です。

 

☆ 株式取得と返済の仕組み

 後継者はこの制度を利用して会社株式を買い取り、会社は利益の一部を配当として支払うことで、後継者がその配当金を返済に充てるーという流れです。

 つまり、自社のキャッシュフローで承継資金をまかなうことができます。

 この仕組みにより、「借金して継ぐ」という不安を軽減しつつ、経営権の移転と資金準備を同時に進められるのです。

 

☆ 税制優遇との組み合わせが最強

 この制度の真価は、「事業承継税制」との併用にあります。

l 経営承継貸付制度: 株式取得資金を低利で借入

l 事業承継税制: 相続贈与税の納税を猶予または免除

 つまり、「お金を借りて株を買っても、税金は後回しでOK」という状況を作れるのです。

 さらに、返済中に後継者が死亡しても、残債務が一定条件下で免除されるケースもあり、家族に負担を残さない制度設計になっています。

 

☆ 実際の活用事例

地方の建設業A社では、社長(70歳)が息子に会社を譲る際、株式評価額は5,000万円。 息子は自己資金がなく、経営承継貸付制度を利用して全額借入。

会社は毎年500万円の配当を出し、息子はそれを返済に充当。

10年で完済しました。

その間、事業承継税制の特例で相続税の納税も猶予。

結果、会社も個人も資金繰りに無理なく承継が完了しました。

まさに、国の制度をフルに使った承継モデルケースです。

 

☆ 利用のポイント

l 認定支援機関を通じた事業承継計画の提出が必須 → 補助金税制特例と同様、認定支援機関の関与が条件。

l 金融機関との信頼関係構築 → 経営者保証を外す交渉も同時に行うと効果的。

l 配当返済計画を現実的に設定 → 無理な配当は資金繰りを悪化させるため、5〜10年計画で。

l 他制度との併用で最大効果 → 事業承継税制経営承継補助金と連動が理想。

 これらを押さえておけば、金融税務経営の三拍子をそろえた完璧な承継設計が可能です。

 

☆ まとめ

 経営承継貸付制度は、

l 後継者の「資金不足」を解消

l 株式承継を円滑に進め

l 税負担と資金繰りを両面で支援

 という、中小企業にとっての救済と再生の制度です。

 事業承継は「感情」だけでなく「資金」でつまずくもの。

 その壁を越えるための公的支援を、知らないのはもったいない。

 「継ぎたい気持ちがあるなら、制度が味方をしてくれる。」

 ーそれが、これからの時代の事業承継の新しい形なのです。