個人と同族会社の管理委託で失敗しないためのルール
「不動産を会社名義にした方が節税になるのでは?」 「家族の会社に管理を任せて経費に落とせる?」
ーそんな相談をよく受けます。
しかし、個人と同族会社の関係は、税務上もっともチェックが厳しい分野のひとつ。
やり方を誤ると、節税どころか追徴課税を受けるリスクもあります。
今回は、個人オーナーと同族会社の間で行う「管理委託」の正しい考え方を、実例を交えて整理します。
1. 「同族会社への管理委託」とは?
たとえば、個人で不動産を所有しているオーナーが、自分や家族の経営する法人に「物件の管理業務」を委託する形です。
法人側が家賃の集金や修繕手配などを行い、その対価として管理料を支払うことで、個人側は「経費計上」、法人側は「事業収入」として扱います。
一見うまく節税できそうですがー
税務署はこの取引を「親族間の取引」として非常に慎重に見ます。
ポイントは実態があるかどうかです。
2. 節税が認められるケース
l ✅ 法人が実際に管理業務を行っている
✅ 管理料の金額が「相場の範囲内
✅ 契約書・請求書・振込などの証拠が明確
たとえば、管理業務を外部業者に委託すると通常5〜10%程度。
それと同程度の料率で、法人が同様の業務をしていれば問題ありません。
この場合、
☆個人側は「不動産所得の必要経費」
☆法人側は「事業収入」 として合法的に節税効果を得られます。
3. 認められないグレーまたは違法ケース
l 法人が実際には何もしていない 帳簿上だけ管理料を支払っている場合は、経費否認の対象に。
l 管理料が相場を超えて高すぎる たとえば家賃100万円に対して管理料50万円では、「実質的な利益移転」と見なされます。
l 同族間での資金循環 個人→法人→個人(役員報酬)という流れが形骸化していると、「所得分散目的の仮装取引」と判断されることもあります。
つまり、契約書があっても中身が伴わなければアウトです。
4. 実際のケース
山形市で3棟の賃貸物件を持つKさん(60代男性)。
長男が経営する不動産会社に管理を委託し、毎月の家賃の8%を管理料として支払う契約を結びました。
法人側では集金、クレーム対応、修繕発注などを実施。
契約書・請求書・振込記録も整備。
税務調査では問題なく認められ、結果として年間約120万円の管理料が経費に計上され、所得税・住民税あわせて約30万円の節税に成功しました。
「きちんとやれば堂々と節税できる」とKさん。
まさに正攻法の節税です。
5. 実務で守るべきルール
l ✅ 契約書を作成する 業務内容・金額・支払日・振込口座を明確に。
l ✅ 請求・支払を現実に行う 振込履歴・領収書を残しておく。
l ✅ 法人側も業務日報を保存 管理・巡回・修繕などの記録を残すことで「実態」が証明できます。
l ✅ 相場感を超えない金額設定 家賃の5〜10%程度を目安に。高額にしすぎるとリスクが高まります。
6. 行政書士からのアドバイス
「家族会社をうまく使う」ことは、節税の王道です。
ただし、形式だけの取引は必ず見抜かれます。
特に山形のように、家族経営で不動産管理をしているオーナーが多い地域では、「なんとなく名義だけ」という契約が少なくありません。
行政書士・税理士にチェックしてもらい、見せかけでない契約を整備することが、最大の防御策になります。
7. まとめ:
家族会社との取引こそきちんと感が命
l ✅ 実態のある管理業務なら合法的な節税
✅ 相場を超えた金額設定は危険
✅ 契約書・請求書・記録をセットで整備
l 「家族だから大丈夫」ではなく、「家族だからこそルールを守る」。
それが、節税と信頼の両立につながります。

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