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住宅取得等資金の非課税枠(年度・契約期限・性能要件)

住宅取得等資金の非課税枠(年度契約期限性能要件)

 

 1. マイホーム購入を支援しながら節税できる制度

  「子どもが家を建てるときに援助したい」「住宅ローンだけでは足りない」

  ーそんなときに頼りになるのが、住宅取得等資金の贈与税非課税制度です。

  この制度は、父母や祖父母から住宅取得や新築リフォームのための資金を贈与する場合に、一定額まで贈与税がかからないというもの。

 「教育資金」「結婚子育て資金」と並ぶ、三大目的別贈与のひとつです。

 

2. 非課税枠はいくら?

 非課税限度額は年度や住宅性能によって変わりますが、2025年時点の目安は次のとおりです。

住宅の種類

非課税枠(上限)

省エネ耐震バリアフリーなどの高性能住宅

1,000万円

一般住宅(上記以外)

500万円

 

 つまり、両親が子どもに1,000万円を渡しても、そのお金を使って「性能要件を満たす住宅」を建てれば、贈与税ゼロというわけです。

 

3. 適用の条件は?

 非課税で受け取るためには、いくつかの条件を満たす必要があります。

l 贈与を受ける人の年齢→ 贈与を受けた年の1月1日時点で18歳以上(令和4年改正)。

l 家の取得時期→ 贈与を受けた翌年3月15日までに契約引渡しが完了していること。

l 床面積の基準→ 登記面積が50㎡以上240㎡以下。

l 住宅性能の証明→ 省エネ住宅長期優良住宅耐震等級2以上などは、性能証明書を提出すること。

l 居住要件→ 相続開始前に実際に居住していることが必要。

 

 

4. 相続時精算課税との併用も可能

 住宅取得資金の贈与は、「相続時精算課税制度」と併用できます。

 つまり、贈与額が非課税枠を超えても、相続時精算課税を選択すれば2,500万円まで非課税扱いにできるのです。

 たとえば:

l 高性能住宅を建てる子どもに1,200万円を贈与→ 1,000万円は住宅資金非課税枠→ 残り200万円は相続時精算課税枠でカバー

 このように、制度を上手に組み合わせることで、実質的に贈与税ゼロで家を建てる支援が可能になります。

 

5. 注意点:

 「年度」と「契約日」に要注意

 制度は時限立法のため、年度ごとに延長縮小が繰り返されています。

 「昨年はOKだった条件」が翌年にNGになることも少なくありません。

特に重要なのが、

l 贈与を受けた年

l 契約日と入居日

l 税制改正のタイミング です。

 実務上は、「贈与→契約→入居」の順番を崩さないことが鉄則。

 順番が前後すると、非課税扱いが認められないケースがあります。

 

6. 実務でのポイント

住宅資金贈与をスムーズに進めるためには、以下を意識しましょう。

l 贈与契約書を作成 →「住宅取得資金として贈与する」と明記し、印鑑証明を添付。

l 振込記録を残す →手渡しではなく銀行振込で証拠を残す。

l 確定申告を忘れずに →翌年の3月15日までに「住宅取得等資金の非課税申告書」を提出。

 また、相続発生時には、住宅資金として実際に使われた分は相続財産に含まれません。

 ただし、未使用分や返金分は「贈与とみなされる」ため注意が必要です。

 

7. まとめ

 住宅取得等資金の非課税制度は、

l 若い世代の住宅取得を支援

l 贈与税をかけずに大きな財産移転ができる

l 年度や性能要件のチェックが不可欠

 という三拍子がそろった制度です。

 マイホームは「夢」であると同時に「最大の資産」。

 贈与の形でその夢を支援することは、家族の未来を一緒に設計する行為でもあります。

 「いつ贈るか」「どんな家にするか」ーこの2つを家族で話し合うことから、安心の相続準備が始まります。