未登記・越境・境界未確定の早期解消で評価減リスクを防ぐ
1. 「名義が古いまま」「境界があいまい」ーそのまま放置していませんか?
相続の現場で最も多い隠れトラブルが、不動産の名義・境界問題です。
「登記していない家」「境界がはっきりしない土地」「塀や屋根が隣地にはみ出している」
ー これらは、見た目ではわかりませんが、相続時に大きな損失やトラブルを引き起こす要因になります。
特に、不動産の相続税評価や売却時の査定では、こうした「不確定要素」があると大幅に評価が下がる(=財産価値が減る)だけでなく、相続登記や分割協議が進まないという実務上の支障も出ます。
2. 未登記建物のリスク
登記されていない建物は、法律上「誰のものか」が明確ではありません。 たとえばー
・亡くなった祖父の名義のまま
・登記自体がされていない
・新築時に表示登記をしていない
この場合、相続人が複数いると「誰の名義にするか」から話し合いが必要になり、分割が進まなくなります。
また、登記がないと固定資産税や保険の手続きでも支障が出ます。
登記費用(登録免許税)は建物の固定資産税評価額の0.4%ほど。
放置してトラブルになるより、早めに表示・保存登記を済ませる方が圧倒的に安全です。
3. 境界未確定と越境の怖さ
土地の相続で特に厄介なのが「境界問題」です。
現場では、次のようなトラブルが少なくありません。
l 古いブロック塀が隣地に越境している
l 境界標(杭)が不明またはずれている
l 測量図と現地が一致していない
l 隣地所有者が不明で立会いが取れない
この状態のままでは、売却も分筆も登記変更もできません。
結果として、相続税申告の際には「不明確な土地」として評価減の対象になる一方、いざ売却しようとすると買い手がつかないという二重の損失を生みます。
4. 解決のための実務ステップ
境界や越境の問題は、専門家と連携して次のように進めます。
① 現況測量を行う(土地家屋調査士に依頼) → 現地と公図・登記簿の不一致を確認。
② 隣地所有者と立会確認書を作成 → 双方の署名捺印をもらうことで、境界が正式に確定。
③ 越境部分を協議・
是正 → フェンスや樹木・屋根などを撤去、または越境承諾書を交わす。
④ 確定測量図を登記に反映 → 将来の売買・相続時のトラブル防止に役立ちます。
こうした整備をしておくことで、相続時に「評価減」ではなく「円滑な承継」が実現できます。
5. 評価減を防ぐ視点が重要
境界トラブルや未登記の不動産は、税務評価上は減額要因になることもあります。
しかしそれは「得」ではありません。
実際には、換金性が下がり、分割できず、トラブルの火種になるという実害の方が大きいのです。
つまり、「評価を下げる節税」ではなく、「評価減リスクをなくす安心」が本質です。相続が発生する前に、
l 境界確定
l 登記名義の整理
l 越境の是正を済ませておくことが、家族を守る節税につながります。
6. まとめ
✅ 登記がない建物は「存在しない」と見なされるリスク
✅ 境界不明・越境地は相続・売却・評価の全てに悪影響
✅ 専門家による測量・登記整備で「価値」と「安心」を守る
相続の準備は、見えない線をはっきりさせることから。
書類よりも現地、評価よりも実態。
今のうちに境界と名義を整えておくことが、最良の相続対策です。

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