解約返戻金の課税(譲渡・解約・年金化)を比較の上で選択
「保険を途中でやめたらお金が戻ってきた」
─これは解約返戻金(かいやくへんれいきん)と呼ばれるものです。
ただし、その戻り金にも税金がかかるケースがあることをご存じでしょうか?
解約・譲渡・年金化、どの方法を選ぶかで税金の扱いがまったく変わるため、ここは要チェックです。
☆ 解約返戻金とは?
保険は、一定の期間保険料を積み立てているため、途中で解約すると「未使用分+運用益」が返ってくることがあります。
この返ってくるお金を「解約返戻金」と言います。
ただし─
☆掛け捨て型(定期保険など)には返戻金がない
☆終身保険や養老保険など貯蓄型の場合は返戻金がある という違いがあります。
☆ 解約したときの課税
解約返戻金が「支払った保険料の総額」を上回ると、その差額部分に税金がかかります。
税区分は「一時所得」。
【計算式】
「(解約返戻金-支払保険料総額-特別控除50万円)÷2=課税対象額」
つまり、利益が50万円以内なら非課税。
たとえば、30年間で600万円払い、返戻金が640万円なら利益は40万円なので税金はかかりません。
☆ 年金で受け取る場合(年金化)
一時金でまとめて受け取る代わりに、「年金として分割受取」にすることも可能です。
この場合は「雑所得」として課税され、毎年の年金受取額のうち元本を超える部分にのみ税金がかかります。
ポイントは、税負担が分散されるということ。
一度に課税されないので、所得税率が上がらず、トータルの税額を抑えられる場合があります。
☆ 名義変更(譲渡)のとき
保険を家族に譲る場合(例:父→子)は、「名義変更(契約者変更)」を行います。
このとき、解約返戻金相当額が贈与とみなされる可能性があります。
つまり、贈与税の対象になるわけです。
とくに、解約返戻金の金額が大きい長期契約ほど注意。
「解約返戻金相当額」が110万円(年間の贈与税非課税枠)を超えると、贈与税が発生します。
☆ 3つの選択肢を比較
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受取方法 |
税金の種類 |
特徴 |
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解約して一括受取 |
一時所得 |
利益の半分だけ課税。利益が 50万円以内なら非課税。 |
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年金で分割受取 |
雑所得 |
毎年の所得に分散されるため、 税率が下がりやすい。 |
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名義変更(譲渡) |
贈与税 |
返戻金相当額が贈与税課税対象 になることがある。 |
どの方法が最も得かは、「利益額」「所得の状況」「家族関係」によって異なります。
特に高所得者の場合は、年金化で分散課税にするほうが有利になる傾向があります。
☆ 節税の実務ポイント
l 解約の前に試算を
返戻金額を保険会社に確認し、課税額を事前に把握。
特別控除50万円をうまく使うために、複数の保険を同じ年に解約しない工夫も大切です。
l 家族間の譲渡は税理士に相談を
名義変更時の評価額はタイミングによって変わるため、プロの確認を。
l 年金化する場合は受取期間を長めに設定
所得を分散させ、老後の安定したキャッシュフローに。
☆ まとめ
解約返戻金は「戻ってくるお金」ではありますが、その実態は利益部分に税金がかかる可能性のある資産です。
l 解約すれば一時所得
l 年金化すれば雑所得
l 譲渡すれば贈与税
目的によって選ぶべき方法が変わります。
「節税か」「資金化か」「家族への継承か」
─ それを整理してから行動することが、賢い保険活用の基本です。

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